12月5、6日。ポーランド南部に位置する古都・クラクフの街中がスノーボードによって占拠された。世界一過激なストリートイベントとして名高い「DIYX STRT JAM」が、6回目の開催を迎えたのである。
主催は、破天荒な発想と創造性でストリートシーンをかき乱し続けるイーサン・モーガン。火、酒、爆音、そして常軌を逸したハンマー級トリックを詰め込んだこのイベントは、もはやコンテストでもデモでもない。“制御されたカオス”そのものだ。
今大会には日本からも精鋭が参戦。山根俊樹、小川凌稀、相澤亮、そしてSUICAこと石原晴菜らがエントリーし、世界最高峰のストリートカオスのど真ん中でその存在を刻み込んだ。
クライマックスは、火炎に包まれたファイヤー・ギャップレール。ここで観衆を完全に支配したのが、ハルドル・ヘルガソンだった。スタイル、破壊力、そして存在感。そのすべてで“格の違い”を見せつけ、場の空気を完全に掌握し、MVPに値する「DIYXiest Award」を受賞した。
DIYX STRT JAMは、スノーボードがもっとも自由で、もっとも危険で、もっとも美しいカルチャーであることを思い出させてくれる。次にストリートが炎に包まれる日まで、首を長くして待ちたい。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）