BACKSIDE (バックサイド)

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村瀬心椛が空を切り裂いたBSトリプルコーク1620。限界を超えた、その回転の先にあるもの

2025.11.15

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オーストリア・スチューバイ氷河で開催されているスノーボード/フリースキーのパフォーマンスキャンプ「PRIME PARK SESSIONS」。そのハイレベルな舞台で、村瀬心椛がBSトリプルコーク1620を成功させたというニュースが、世界中に大きな衝撃を与えている。
この技は、2012-13シーズンにトルゲイル・バーグレム(ノルウェー)が世界で初めて成功させたトリックであり、2015年の「AIR+STYLE」ロサンゼルス大会では角野友基が世界初のスイッチBSトリプルコーク1620を決めて優勝している。当時、世界の最高到達点とされていた領域に、心椛はわずか十数年で到達した。
彼女がその大技をSNSにポストすると、ビッグエア女王として知られるアンナ・ガッサー(オーストリア)からは「Wow wow wow!!! Queen」と称賛の声が寄せられた。さらに、スロープスタイル元女王のジェイミー・アンダーソン(アメリカ)、現女王のゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)ら世界トップのライダーたちもコメントを送り、歴史的な快挙を称えた。
心椛といえば、2018年5月に行われた「X GAMES」オスロ大会のビッグエアで、13歳ながら頂点に立ったことを覚えている人も多いだろう。そのときのウイニングトリックが、女子史上初のBSダブルコーク1260だった。あれから7年半。21歳になったばかりの彼女は、いまや世界のスノーボードシーンを牽引する存在である。
これは単なる技の進化ではない。スノーボードというカルチャーの流れの中で、ひとつの文脈を更新する出来事だ。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 

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