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雪と身体に“線を刻む”という表現。國母和宏 × GAKKIN「777 ONAGA JACKET」が即完売
2025.11.12
2025年11月11日、限定100着の「777 ONAGA JACKET」がリリースと同時に完売した。工藤洸平が手掛けるNOMADIK(ノマディック)と、世界的なタトゥーアーティストとして知られるGAKKINのコラボレーションである。その一着は、スノーボードウエアとタトゥーという異なる表現が交わった場所に生まれた“祈り”のような存在だった。
NOMADIKの777シリーズをシグネチャーモデルラインとして持つ國母和宏は、これまで幾度となく命を落としかねないバックカントリーと対峙してきた。彼の身体に刻まれたタトゥーは、単なる装飾ではない。自らの生を賭けて山と向き合うための、お守りのようなものだと以前から語っている。そうして、数々のビッグマウンテンに「ライン」を刻んできた。タトゥーもまた「線」であり、そこには生き方そのものが刻まれている。
GAKKINとの出会いは、その線と線が必然のように引き合った結果だった。奈良の茶室で施された“尾長鶏”のタトゥー。長くしなやかに尾を引くその姿は、國母が生きてきた軌跡の象徴でもある。GAKKINが皮膚に刻んだ線を、NOMADIKが布に縫い込んだ。MA-1ジャケットの背面に刺繍された尾長鶏、裏地に広がる鶏脚紋。それは、命の線と表現の線がひとつになった証のようだった。
発売開始直後、100着が完売した。だが、その出来事は“限定アイテムが売れた”という単純な話ではない。命を賭して山にラインを刻むスノーボーダーと、皮膚に線を刻むアーティストが交わった結果、カルチャーの深層にひとつの痕跡が刻まれたということだ。
完売という事実は、終わりではなく、記憶の始まりである。NOMADIK × GAKKIN『777 ONAGA JACKET』。それは、タトゥーとスノーボードが線で交わり生まれた、忘れられない記憶だ。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




