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ヨーロッパ最高峰エルブルス山でリフト事故が発生し3人が死亡。老朽化設備の危うさが露呈
2025.09.18
9月12日、ロシア・エルブルス山(標高5,642m)で稼働していた旧ソ連時代に架けられたリフトが故障し、3名が死亡、9名が負傷する事故が発生したと、複数の海外メディアが報じている。1981年に設置されたひとり乗りチェアリフトのケーブルが支柱から外れ、複数の搬器が岩場に落下した。事故当時はシーズン前の点検期間中で、運行は制限されていたとされるが、約40名が取り残され、25名は夜を越して救助を待つ事態となった。
運営会社の代表と主任技師はすでに拘束され、過失による業務上の死亡事故として捜査が進められている。背景には、40年以上前に設置されたリフトが使われ続けていたという事実がある。
同じ1980年代に設置されたリフトは日本のゲレンデにも残っている。定期点検はもちろん実施されているが、設備更新や架け替えは大きな投資を伴うため、多くのリゾートにとっては避けて通れない課題だ。今回の事故は、安全性をいかに次世代へとつなぐかという課題を露呈させた。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)