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雪不足のなか、バックカントリーで起きた雪崩の衝撃映像──待望の降雪が突きつけたリスク
2025.09.09
この冬、雪不足に悩まされてきたニュージーランド。クラブフィールドのひとつであるテンプルベイシンは今シーズンの営業を断念すると発表していたが、9月6日、初春にあたるこの時期にオープンするなど、ようやく雪が戻ってきた。
しかし、その待望の降雪は、同時にリスクを伴う。トレブルコーン周辺のバックカントリーで4人のスキーヤーが雪崩を誘発し、その瞬間をとらえた映像がNZ Avalanche Advisoryを通じて公開された。3人が雪崩に巻き込まれ、そのうち1人は腰まで埋まったが、幸いにも全員が無事だった。
降雪が少なく不安定な雪の層の上に新雪が積もることで、雪崩リスクは高まる。ニュージーランドでは今シーズンを通じて同様の事例が報告されており、NZ Avalanche Advisoryは新雪や強風、持続的なスラブによる危険性を警告している。
映像はスキーヤーによるものだが、パウダースノーを待ち望む気持ちが抑えきれずに山へ向かう姿は、日本のスノーボーダーにとっても他人事ではないはずだ。雪山は最高の遊び場であると同時に、大きなリスクをはらむフィールド。オフシーズンの今だからこそ、雪山の現実を胸に刻んでおきたい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)