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DIYと自由の精神が交差する“春祭り”。聖地ベイカーで創られる雪上の遊び場「BRAIN BOWL × SESHUP」
2025.08.16
米ワシントン州マウントベイカーといえば、故クレイグ・ケリーが愛した山であり、マイク・ランケットやジェイミー・リンらが90年代にフリースタイルの本質や魅力を世界へと広めた、スノーボーダーの聖地である。1985年から続く「LEGENDARY BANKED SLALOM」もその象徴だ。そして近年、この聖地に新たな“春祭り”が芽吹いている。
マックス・ワービントン率いる「BRAIN BOWL」と、マット・ウェインハウス主宰の「SESHUP」。コロナ禍に誕生したBRAIN BOWLは今年で5年目、バックカントリーに巨大キッカーを築くSESHUPは25周年を迎え、どちらも100%手作業でアイテムを創り出している。双方がひとつの遊び場として融合した「BRAIN BOWL × SESHUP」は、今年で共同開催3年目を迎えた。
北米各地から、そして北欧からもライダーが集まり、1週間以上かけて造成されたフィールドには、ギャップジャンプ、20m超のトンネルを含む雪のスケートパーク、高さ4mほどのクォーターパイプといったアイテムたちが並ぶ。プロもローカルも、スキルも立場も関係なく混ざり合い、春の陽光のもとでひたすら遊び尽くす空間だ。
この場の根底にあるのは、DIY精神とオープンマインド。誰でも参加できる自由さと、手間を惜しまないクラフトマンシップが同居するこのセッションは、聖地ベイカーの新しい春の風物詩として確実に定着している。この春も、笑い声と雪しぶきがベイカーの山奥に満ちていた。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)