BACKSIDE (バックサイド)

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ヨーロッパのトップコンペティターが南米へ。パット・バーグナーがブラジル代表として再始動

2025.06.17

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スイス代表として2度のオリンピックに出場し、平昌五輪では5位、北京五輪では11位という成績を残したハーフパイプのスペシャリスト、パット・バーグナーが、2026年ミラノ・コルティナ五輪を前にして、国籍を母親のルーツであるブラジルへと変更した。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)およびスイス・スキー連盟がこの変更を正式に承認し、彼は今後、ブラジル代表として国際大会に臨むこととなる。
国籍変更によるオリンピック出場を目指すケースはほかにもあり、アメリカ代表からイタリア代表へと変更し、北京五輪に出場したルイ・ビトーの例も記憶に新しい。ただし、パットの場合は「代表枠確保」のためというよりも、母国であるスイスへの感謝とともに、「母親の祖国を誇りに思っている」とSNSで綴ったように、よりパーソナルな決断であったことがうかがえる。
現役続行を選んだ31歳の彼は、今年3月のFIS世界選手権で7位入賞、彼のホームマウンテンであるラークスで行われたEUROPEAN CUPでは優勝を果たすなど、今なお第一線の実力を維持している。ミラノ・コルティナ五輪での活躍も期待されるベテランだ。
現在、ブラジルのハーフパイプシーンでは、20歳のアヴグスト・テイシェイラが成長株として注目されており、同世界選手権で18位という成績を収めている。そんななか、経験と実力を兼ね備えたパットの加入は、ブラジル国内のみならず、南米全体のスノーボードシーンにとっても大きな追い風となるだろう。
ハーフパイプという競技の特性上、経験値が武器となることも多く、成熟したライダーの存在が、若手の刺激にもなりうる。パットのようにキャリア後半で新たなステージを選ぶアスリートの姿は、競技を超えてシーン全体に示唆を与える。
これから約半年後に迫るミラノ・コルティナ五輪。その舞台でブラジル代表のパットがどんな滑りを見せるのか。そして、そこに続く物語がどこまで広がるのか。注視していきたい。

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