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観光庁がスノーリゾート16地域を支援。その選定地に見る“これからの雪山”のあり方
2025.06.04
観光庁は、「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」の一環として、2025年度の支援対象地域に16地域を選定した。支援の目的は、雪を求めてやってくる訪日外国人観光客のさらなる誘致と、地域における継続的な観光価値の創出にある。
今回の選定地は、北海道からは大雪地域、札幌、新得の3エリア。東北からは岩手・八幡平、山形・蔵王、福島・会津磐梯。関東甲信越では群馬・草津、新潟・越後湯沢、妙高、長野・野沢温泉、山ノ内、白馬地域、白樺高原、阿智が選ばれ、北陸・中部からは福井・勝山、岐阜・郡上が選定された。
観光庁は、これらの地域において以下のような取り組みを支援する意向を示している。リフトやゴンドラといった輸送インフラの更新、雪上エスカレーターの整備、インバウンドに対応するためのキャッシュレス導入や多言語対応の強化、二次交通の確保、国際的なスノーインストラクターの育成と配置。そして、エリアごとの魅力を伝える情報発信の強化を挙げている。
注目すべきは、それらの多くが「持続可能性」に軸足を置いている点である。雪という自然資源を観光の柱としながらも、その未来は決して約束されていない。気候変動によって左右されるこのフィールドを、どう守りながら磨き上げていくのか。その視点が問われている。
かつては“滑れるだけ”で満足だったスノーリゾートも、いまや選ばれる理由が必要になっている。だからこそ、今回の16地域がどのような個性を打ち出し、どのように“雪山の価値”をアップグレードしていくのか。スノーボーダーとして、その動向に注視していきたい。
photo: Matt Ketchum(Unsplash)