BACKSIDE (バックサイド)

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気温上昇が滑走機会を奪う。ニュージーランド・マウントハット、異例の早期オープンを断念

2025.05.31

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南半球のウィンターシーズンは、例年なら6月上旬に本格的なスタートを迎える。その皮切りとして注目されていたのが、ニュージーランド南島の名門リゾート、マウントハットである。
今年4月、現地は記録的な降雪に恵まれた。滑走可能な雪が整い始め、「このままいけば2009年以来の5月オープンか」との期待も高まった。実際にリゾート側も当初の予定を2週間前倒し、本日5月31日の開業を目標に掲げていた。
しかし、自然は人間の都合どおりにはいかない。季節外れの高温が続いたことで、積雪は急激に減少。マウントハットは先週末、5月中のオープンを断念することを発表した。新たな目標は6月7日(土)または8日(日)。それも難しい場合は、当初予定のどおり6月13日(金)にずれ込む見込みである。
日本に置き換えてみると、12月中旬にオープンを予定しているゲレンデが、10月下旬に大雪に恵まれたことで11月下旬のオープンを目指す。だが、気温上昇により断念、という状況に近い。晩秋に雪が降り、初冬に気温が上がる。そんな逆転現象に、気候の不確かさを感じさせられる。
とはいえ、マウントハットは当初予定していた時期には営業を開始できる可能性が高く、現時点での影響は限定的といえる。ただ、雪の動向を日々気にかけながら滑っているリアルスノーボーダーたちにとって、こうした変化を他人事で済ませることなく、気候と雪の関係を見つめ直すキッカケとして記憶にとどめておきたい。

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