BACKSIDE (バックサイド)

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アンティ・アウティが南魚沼に通い続ける理由。『THE SNOW COUNTRY』が映すもの

2025.05.24

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フィンランドを代表するプロスノーボーダー、アンティ・アウティが、またひとつの映像作品を届けようとしている。舞台は、新潟・南魚沼。作品名は『THE SNOW COUNTRY』。2025年秋に公開予定だ。
ティザー映像では、「この土地はかつて、雪によって外界と隔てられていた」と語るアンティの言葉が印象的だ。雪が多すぎて出られず、閉じ込められるという極端な環境が、“スノーカントリー”という伝承を生み出した。歴史的にも、文化的にも、そして雪上においても、南魚沼という場所には特異な輪郭がある。
ティザーにはもうひとり、重要人物が登場している。南魚沼を拠点とする山岳ガイドであり、現在は市議会議員としても活動する永井拓三だ。アンティにとって永井は、単なるローカルガイドではない。10年以上の付き合いがあり、いまや家族ぐるみで交流を続ける友人でもある。
「彼は以前、いつも“どこがいいスポット?”って聞いてきた。でも今は、自分で探して見つけて、“あそこにいいラインがあったよ”って教えてくれる」。ティザーの中で永井がそう語るように、アンティはこの土地を一方的に享受するのではなく、自ら歩き、見つけ、滑り、向き合ってきた。南魚沼の地形を読むことも、気候に合わせることも、すべては“自分の足”から始まっていたのだ。
彼がこの地に通い続けている理由については、過去にも触れてきた。世界にまだ“バレていない”シークレットスポットの存在。東京からのアクセスのよさ。そして何よりも、ローカルとの信頼関係がもたらす自由な時間。アンティはこの地を「住みたい場所」とまで語っている。
本作の全容はまだ明かされていないが、ティザーからすでに伝わってくるのは、自然と文化と人とが織りなす“雪国”の輪郭だ。この秋、その全貌が明かされるとき、またひとつ、南魚沼という場所が世界に届くことになるのだろう。

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