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世界に誇る日本人ライダーたちが札幌で舞う。W杯ハーフパイプが10季ぶりとなる国内開催へ
2025.05.15
2026年2月に開幕するミラノ・コルティナ五輪の直後、日本の地に再びFIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)ハーフパイプが帰ってくる。会場は北海道・さっぽろばんけい。開催日は3月7日(土)に予選、8日(日)に決勝を予定している。実に10シーズンぶりに、日本でのW杯ハーフパイプ開催が決定した。
ハーフパイプ大国・日本にとって、これは待望のニュースである。ソチ・平昌の銀を経て、北京五輪で金メダルを獲得したハーフパイプ王者の平野歩夢、3シーズン連続でFISハーフパイプ年間王者に輝いた平野流佳、「THE SNOW LEAGUE」初代王者・戸塚優斗といった世界屈指のライダーたちがひしめき合う層の厚さは、いまや日本が世界に誇る強みだ。
加えて、男子4枠目を争う札幌出身の山田琉聖にとっては地元開催となる。マックツイストやスイッチマックツイストでの圧倒的な表現力に加え、バック・トゥ・バック1440という世界レベルの高難度コンボも持ち合わせる。女子では、W杯デビュー2戦目で金メダルを獲得し、「X GAMES」や「FIS世界選手権」でも表彰台に上がった15歳の新星、清水さらの台頭も見逃せない。
かつて、日本には世界トップのライダーたちが一堂に会する国際大会が複数存在していた。「X-TRAIL JAM」「NIPPON OPEN(ASIAN OPEN)」「TOYOTA BIG AIR」──いずれも日本のスノーボードカルチャーのいち時代を築いたビッグイベントだったが、日本人ライダーたちの滑走スキルの高まりと反比例するように、その灯は2010年代初頭を最後に消えてしまった。
だからこそ、今ふたたび、五輪を終えたばかりのトップライダーたちが凱旋し、国内のファンの目の前で宙を舞うというシチュエーションには価値がある。単なる競技大会という枠を越えて、日本のスノーボードシーンにとって、未来へとつながる一歩となるかもしれない。