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再びラニーニャの兆し? 来シーズンも豪雪? アメリカ海洋大気庁が発表した来冬の見通し

2025.05.12

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北米の気象予測を担うNOAA(アメリカ海洋大気庁)は、2025年5月時点でのENSO(エルニーニョ・南方振動)見通しを発表した。現在の熱帯太平洋は「ENSO中立」状態にあり、この状況は今夏〜秋、さらにきたる冬にかけて継続する可能性が高いとされている。
その確率は、今夏から秋にかけて74%が中立。ただし、秋以降はラニーニャに移行する可能性が徐々に高まり、その発生確率は40%超にまで上昇している。エルニーニョの発生確率は約15%にとどまり、中立とラニーニャが拮抗する展開となっている。
このENSO中立は、エルニーニョやラニーニャのように特定の気候傾向を強くもたらすわけではなく、季節予測が難しくなることでも知られている。大気や海水の状態が安定していることで、そのほかの気候因子(北大西洋振動やマッデン・ジュリアン振動など)の影響が顕在化しやすくなるからだ。
NOAAの観測によれば、4月のNINO.3.4海域(熱帯太平洋中部)の海面水温は平年より0.16℃低く、2ヶ月連続で中立ゾーンに位置している。さらに、東風の貿易風や雲量、気圧配置など一部の指標はラニーニャ傾向を示すものの、全体としては中立のバランスに留まっている。
いまは、ENSO予測が特に難しいとされる「春の予測の壁(Spring Predictability Barrier)」のまっただ中。これを越えて夏が深まるにつれ、2025-26シーズンの展望も徐々に明確になってくるはずだ。
スノーシーズンが終わりゆく今こそ、来冬を静かに見据えるときかもしれない。

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