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ゼブ・パウエルがJORDAN BRANDと正式契約。ノースカロライナから始まる“ジャンプマン”とともに滑り出した新章
2025.04.05
ゼブ・パウエルが、JORDAN BRAND(ジョーダンブランド)と正式に契約したことを自身のSNSで発表した。ストリートと雪山を自由につなぐゼブのライディングスタイルはこれまでスノーボードの可能性を広げ続けてきたわけだが、今後ジャンプマンのロゴを背負って、さらなるステージへと滑り出す。
発表の演出も、ゼブらしいスタイルに満ちていた。数台のモニターに自身のライディング映像とJORDANの映像がシンクロし、JORDAN 1を履いてソファに身を預ける彼の姿が静かに映し出される。言葉はなかったがその静けさゆえに、むしろ力強さが際立った。
Instagramにポストした際のキャプションにはシンプルに、「Sliding with @Jumpman23」とだけ書かれていた。
この動きは、すでに数ヶ月前から予感されていた。「X GAMES」のナックルハックではジャンプマンロゴ入りのボードとスウェットで登場し、「RED BULL HEAVY METAL」ではロゴ入りのペンダントを首から下げていた。本人は明言を避けていたが、周囲はすでに期待に満ちた確信を抱いていた。
そして、それが現実になった。
JORDAN BRANDがスノーボーダーと正式契約を結ぶのはこれが初。これまで同ブランドはバスケットボール以外でも、野球、アメフト、BMXなどに広がりを見せていたが、スノーボードへの参入には大きな意味がある。それは、スポーツとしてのスノーボードではなく、カルチャーとしてのスノーボードへの眼差しだ。
ゼブ・パウエルは、まさにその象徴的存在。ライディングの独創性、多様性を尊重した活動、そして何よりスタイルに対する強いこだわりを持つ。その姿勢は、マイケル・ジョーダンがかつて体現した“個の強さ”とも重なる。
そしてもうひとつ、ゼブとジョーダンには共通点がある。どちらもアメリカ・ノースカロライナ州出身というルーツだ。スニーカーヘッズにはおなじみの“カロライナブルー”は、ゼブのシグネチャーブーツにも用いられているカラーリングであり、これはジョーダンが在学していたノースカロライナ大学へのオマージュでもある。
地元から世界へ。ルーツを大切にしながら、ジャンルや常識を飛び越えていくスタイル。ゼブとJORDAN BRANDの出会いは、ただの契約以上の意味を持っている。
これからどんなギアが生まれ、どんな映像が届くのか──。ジャンプマンとともに滑り出したゼブの新章に、スノーボードの未来が映し出される。