
NEWS
スノーボード文化が根づいていない韓国シーンを変える男。イ・ミンシクが贈る『TRASH YARD』
2025.03.31
四半世紀ほど前、某ウエアブランドのライダーだった時代に筆者は、2年続けて韓国を訪れたことがある。日本に比べると降雪量は極端に少なく、ほぼ人工雪で造られたカチカチのゲレンデでイベントを行ったのだが、そこに集まったスノーボーダーたちは、ほぼ初心者や初級者たち。欧米から輸入されたスノーボードというカルチャーが日本を起点として、アジアに浸透し始めた頃だったのだろう。
そして現在、ハーフパイプでトリプルコークを操る18歳のイ・チェウンや、14歳のときに「X GAMES」と「DEW TOUR」ハーフパイプを制し衝撃的デビューを飾った16歳のチェ・カオンら、世界トップレベルで活躍するコンペティターたちが頭角を現している。その背景には、2018年の平昌五輪ビッグエアに出場したオリンピアンであり、同年に長野・栂池マウンテンリゾートで行われた巨大ビッグキッカーセッション「HAMMER BANGER」に参加していた韓国人ライダー、イ・ミンシクの存在が挙げられる。そのミンシクは今、韓国にスノーボード文化を根づかせようと邁進中だ。その一環として彼が主催したイベント「TRASH YARD」を紹介したい。

ミンシクを中心とした韓国人ライダーたち
「韓国には国際大会で活躍するライダーたちがいるのに、スノーボードを楽しむためのイベントや文化がないことを残念に感じていました。そうした中、いいスポットを見つけたんです。そこはまるで「TRASH YARD(ゴミ処理場)」のような場所でした。このイベントは、スノーボーダーたちが楽しめるパーティーを目指しました。ベテランライダーとニュージェネレーションが一体となれるイベントを作りたかったんです。はじめてのイベントだったので、韓国に点在する個性的な20人のライダーたちを招待しました。まだまだ小さなイベントですが、韓国のスノーボードカルチャーを発展させられる可能性を感じることができました。これからもスノーボードを楽しみながら、韓国のカルチャーを発展させるために努力し続けます」
ミンシクにショートインタビューを行ったのだが、このように力強く語ってくれた。冒頭で述べたように、隣国・韓国は日本のように降雪に恵まれていないので、グラウンドトリックが人気を博している。そうした環境において、DIYパークからスノーボード本来のカッコよさや魅力を発信するミンシク。彼を中心とした韓国スノーボードシーンの今を知ってもらいたい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)