さる2月22日、米マサチューセッツ州の州都であるボストン中心部で、10年ぶりに大規模なスノーボードイベント「RED BULL HEAVY METAL」が開催された。昨年はミネソタ州の州都、セントポールに位置する同州議会の議事堂で行われ、今年はボストン市庁舎前広場に特設された3つのゾーンを用意。ストリートスノーボード界を代表する38人のライダーが集結すると、なんと20,000人を超える観客が詰めかけたのだ。ストリートスノーボードの新たな歴史が生まれた日をのぞいていきたい。
ゾーン1には40フィート（約12.2m）のダウンレールがセットアップ。ライダーたちは階段を飛び越え、レールを攻めまくった。ゼブ・パウエルはバインディングのストラップを外したパフォーマンスを魅せるなど、オーディエンスを盛り上げる。15歳の新星、ジェス・パールマッターも堂々たる滑りを披露し、それぞれが勝者となった。
ジャンプとウォールライドでの空中戦となったゾーン2では、政府庁舎を取り囲むレンガ造りのプラットフォームが舞台。サム・クライン、LJエンリケス、マギー・レオンら、ジャンプや巨大なウォールライドを攻めまくったが、ベニー・マイラムと再びジェスがハイパフォーマンスを発揮して勝利を飾った。
68フィート（約21m）もの長さを誇るキンクレールが用意されたゾーン3での最終決戦。歴史的建造物の前に位置する巨大階段で行われた。40段以上の階段に設置された超ロングなキンクレールだけに、ライダーたちは苦戦を強いられながらも果敢に挑んだ。最終的には、男子はベニー、女子はジェイヴァ・ジョーダンがトップに躍り出る結果に。よって、ベニーとジェスが総合優勝という栄冠を勝ちとったのだ。
映像をご覧いただければわかるが、ものすごい熱気が伝わってくるではないか。そして、スノーボードカルチャーの象徴であるストリートスノーボードが、まるでメジャースポーツかのように映る。ぜひ、その目撃者のひとりになっていただきたい。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）
photo: Peter Cirilli / Red Bull Content Pool