BACKSIDE (バックサイド)

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深田茉莉の進化が止まらない。総合滑走力が問われるスロープスタイルでW杯初優勝

2025.02.23

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カナダ・カルガリーで行われたFIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)スロープスタイルにおいて、深田茉莉が初優勝を飾った。これまではビッグエアの強さが際立っていたが、総合滑走力が問われるスロープスタイルでも、その実力を示す結果を残した。
 
セミファイナルがキャンセルとなっため、通常のW杯よりもファイナル進出者が多く、女子12名、男子18名で優勝が争われた。そのためか、ひとり2本のランしか許されないシビアな状況。予選1位通過を果たしていた茉莉は最終走者となり、1本目のランは65.53ポイントで4位につけていた。
 
アニカ・モーガン(ドイツ)がトップ、2本目でクリーンなランを決めたミア・ブルックス(イギリス)が2位に浮上し、茉莉は2本目を迎える。大会が始まった時点で気温は8℃。雪は徐々に緩み、後半になるにつれて難しいコンディションだったに違いない。そうした中、スイッチFSボードスライド270オフ→ハーフキャブ・トゥ・BSボードスライド・プレッツェル270オフ→スイッチBSボードスライド270オフとスイッチスタンスを多用してジブの3連セクションを華麗に攻略すると、誰よりもハイスピードでファーストジャンプに突っ込み飛距離のあるスイッチBS900インディを決め、続けて特大のFS720ウェドルをストンプ、ラストのシャークフィンと呼ばれるトランジションキッカーではFS540ステイルフィッシュを成功させて77.58ポイントをマーク。見事、大逆転劇を演じたのだ。
 
今大会をライブ配信していたJ SPORTSで解説を務めさせていただている筆者は、表彰式直後の茉莉と話すことができたのだが、2ヒット目のキッカーではFS1080を狙うという選択肢もあったが、キッカーのコンディションが整っていなかったため、回転数を落としてでもビッグジャンプで攻めるという決断をしたそうだ。強いオーリーから繰り出されるジャンプの大きさやトリックの完成度の高さは言うまでもないが、ジブの技術力と表現力の双方がスキルアップしたことで、強豪ライダーを従えて表彰台の中央を射止める結果につながったように感じた。

男子は長谷川帝勝、木村葵来、宮村結斗の3名が決勝進出。帝勝はスイッチでジブセクションを攻めると、CAB1440やBS1620など高難度スピントリックを決めるも、あと一歩及ばず4位という結果に終わった。結斗は11位、葵来は17位でフィニッシュ。優勝はアメリカの新星、オリバー・マーティン、2位はレッド・ジェラード(アメリカ)、3位にはマーカス・クリーブランド(ノルウェー)が輝いた。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: FIS SNOWBOARD

 
女子結果
1位 深田茉莉(日本)
2位 アニカ・モーガン(ドイツ)
3位 ミア・ブルックス(イギリス)
20位 鈴木萌々(日本)
25位 鬼塚 雅(日本)
全結果はこちら
 
男子結果
1位 オリバー・マーティン(アメリカ)
2位 レッド・ジェラード(アメリカ)
3位 マーカス・クリーブランド
4位 長谷川帝勝(日本)
11位 宮村結斗(日本)
17位 木村葵来(日本)
47位 木俣椋真(日本)
54位 荻原大翔(日本)
58位 飛田流輝(日本)
全結果はこちら

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