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村瀬心椛がW杯スロープスタイルで堂々たる2位獲得。大会直後のインタビューで垣間見えた彼女の強さとは
2025.02.03
米コロラド州アスペンで開催されているFIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)のスロープスタイルが行われ、女子は村瀬心椛が2位となり、今季3戦連続して表彰台を射止めた。奇しくも、およそ1週間前に同地で行われていた「X GAMES」女子スロープスタイルと同じく、優勝はゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)、3位にはミア・ブルックス(イギリス)が入った。今シーズンのW杯2戦目にあたる「LAAX OPEN」ではミアが1位、ゾーイが2位、心椛が3位だっただけに、総合滑走力が問われるスロープスタイルのウィメンズシーンにおいて、この3名がトップ争いでしのぎを削っているわけだ。
ハーフパイプはひとり3本が許されていたが、スロープスタイルは参戦ライダーが多くファイナリストの人数が多いからなのか、ひとり2本のランからベストポイントで争われた。ミスが許されないシビアな戦い。そうした中、心椛は2本目でBSボードスライド・プレッツェル270オフ→CAB270オン270オフ→FSボードスライド450オフ→CAB900ウェドル→FS1080トラックドライバー→BSダブルコーク1080ウェドルをクリーンに決めて79ポイントをマーク。間違いなく世界トップレベルであることを証明する堂々たる滑りだった。
本大会をライブ配信しているJ SPORTSで解説を務めさせていただいていた筆者は、心椛に意地悪な質問をぶつけてみた。彼女の負けん気の強さは十分に理解しているつもりだ。そのうえで、今季のスロープスタイルやX GAMESのナックルハックでの金メダルなど調子が上がってきているが、シーズン序盤に集中していたビッグエアではリザルトを残せていなかった点について突っ込んでみると、調子は悪くなかったと完全に否定したうえで、大会では上手く結果を出すことができなかったが、そうしたことも含めて、すべてが線でつながっていて、今の結果にもつながっているのだと即答。彼女のそうした思考回路が強さの秘密なのだと、改めて思い知らされた。今後の心椛のさらなる躍進に、期待せずにはいられない。
もうひとりの女子ファイナリスト、深田茉莉はジブスキルを高めて華麗なる滑りで挑むも2ランとも上手くまとめることができず、5位に終わった。男子でただひとりファイナルに進出した荻原大翔は、ラストヒットで特大のBS1800を決めるなど素晴らしいランを披露するも、ジブの2セクション目でスイッチBSボードスライドからのプレッツェル270オフの抜けが若干早くなってしまい得点を思うように伸ばすことができず、6位でフィニッシュした。
優勝はW杯を転戦し始めてから9シーズン目を迎え、悲願の初優勝を飾ったフランク・ジョビン(カナダ)。インタビュー時に感極まっている姿が印象に残った。北京五輪スロープスタイル銀メダリストのスー・イーミン(中国)が2位、3位はアメリカのショーン・フィッツシモンズとなった。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo: FIS SNOWBOARD
女子結果
1位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
2位 村瀬心椛(日本)
3位 ミア・ブルックス(イギリス)
5位 深田茉莉(日本)
9位 村瀬由徠(日本)
11位 鈴木萌々(日本)
13位 鬼塚 雅(日本)
24位 岩渕麗楽(日本)
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男子結果
1位 フランク・ジョビン(カナダ)
2位 スー・イーミン(中国)
3位 ショーン・フィッツシモンズ(アメリカ)
6位 荻原大翔(日本)
20位 宮村結斗(日本)
22位 木俣椋真(日本)
27位 飛田流輝(日本)
30位 長谷川帝勝(日本)
48位 木村葵来(日本)
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