米コロラド州アスペンで開催されている真冬の祭典「X GAMES」は2日目を迎え、まずは女子スロープスタイルが行われた。連続したジャンプセクションはもちろん、ジブセクションとの複合コースで争われるだけに総合滑走力が問われるこの競技において、村瀬心椛が銀メダルを獲得したのだ。
 
8名の招待ライダーにより今大会から採用されているプレーオフでひとり2本滑走し、上位4名がファイナルにコマを進めるルール。鬼塚雅は2本ともコースにアジャストさせることができず、ここで敗退となってしまった。ミア・ブルックス（イギリス）、ゾーイ・サドウスキー・シノット（ニュージーランド）、心椛、ローリー・ブルーアン（カナダ）の順でプレーオフを通過したため、ファイナルでの滑走順はこの逆になる。心椛は第2走者でファイナルに挑む。
 
1本目から攻め、ファーストジャンプではCABトリプルコーク1260を繰り出し転倒してしまった。気を取り直して2本目、BSボードスライド・プレッツェル270オフ→CAB270オン270オフ→50-50・トゥ・BS180メロンオフとしっかりジブセクションをつなぎ、ファーストジャンプはCABダブルコーク1080ウェドルに修正。その後、スイッチBS900インディ→BSダブルコーク1080ウェドルとジャンプセクションもクリーンに決めて90.33ポイントをマーク。ゾーイには届かなかったが、このランで銀メダリストに輝いた。
 

 
そのゾーイが圧巻の滑りを披露。FSリップスライド270オフ→FSボードスライド450オフ→スイッチBSボードスライド270オフ→スイッチBS1260インディ→FSダブルコーク1080ウェドルまでつなぐと、ラストジャンプで女子スロープスタイル史上初のBSトリプルコーク1440にウェドルグラブを入れて決めたのだ。94.66を記録して文句なしの優勝を飾った。
 

 
過去にミアが女性史上初の1440をスロープスタイルの大会においてCABスピンで決めていたため、4回転ジャンプは2人目ということだ。そのミアはメンズライクなスリーピースタイルでジブセクションを巧みに攻略すると、FS720インディ→BS900インディからラストジャンプでCAB1440スイッチメロンをパーフェクトストンプ。88.33ポイントで銅メダルをゲットした。
 

 
人工芝を用いたジャンプ施設の先進国である日本はビッグエアで勝てるライダーは多いのだが、冒頭で述べたように総合滑走力が問われるスロープスタイルでは、なかなか勝てない。そうした中、心椛はX GAMESで3大会連続して表彰台を射止めるという、素晴らしい結果を残した。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）
photo: X GAMES

 
女子スロープスタイル結果
1位　ゾーイ・サドウスキー・シノット（ニュージーランド）
2位　村瀬心椛（日本）
3位　ミア・ブルックス（イギリス）
4位　ローリー・ブルーアン（カナダ）
5位　アニカ・モーガン（ドイツ）
6位　アンナ・ガッサー（オーストリア）
7位　ジュリア・マリノ（アメリカ）
8位　鬼塚 雅（日本）