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1440が連発する超ハイレベルな時代に突入した「X GAMES」女子ビッグエアで岩渕麗楽が2位

2025.01.24

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米コロラド州アスペンで開幕した真冬の祭典「X GAMES」。まずは女子ビッグエアからスノーボード競技はスタートした。8名の招待ライダーのみに出場が許され、うち4名は日本人ライダー。鬼塚雅、岩渕麗楽、村瀬心椛、深田茉莉がアスペンの夜空に舞った。
 
今季からルールが変更され、まずは8名がひとり3本のジャンプを行い、ベストポイントの上位4名がファイナルに進出する。その4名がひとり2本のジャンプを繰り出し、ベストポイントで争われるというもの。これまでは右回り(レギュラーのBSとCAB)と左回り(レギュラーのFSとスイッチBS)の合算で勝敗を決していたのだが、ひとつのジャンプが抜きん出ていれば勝てるフォーマットだ。
 
雅はCAB1260トラックドライバー、茉莉はFS1440ジャパンを成功させるも、上位4名に入ることは叶わなかった。前回大会覇者の心椛はラストジャンプでBS1620を繰り出すも3本とも着地に嫌われてしまい、涙を呑む結果に。麗楽は2本目にFS1440ダブルテールを完璧に決めて94ポイントを獲得、トップでファイナル進出を果たした。タイトルに綴ったように、予選から1440が連発するハイレベルな戦いとなった。
 
ファイナルは、2位通過のアンナ・ガッサー(オーストリア)、3位通過のミア・ブルックス(イギリス)、4位通過のゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)と麗楽の4名で順位を決する。アンナは縦軸がしっかりと入ったCABトリプルコーク1260トラックドライバー、ミアは超スムースなCAB1440スイッチメロン、ゾーイは特大のBSトリプルコーク1440トラックドライバー、麗楽はダブルテールという高難度なグラブを入れながらFS1440を2本とも繰り出した。1本目でアンナは93.66ポイントを叩き出しトップに立つと、そのポイントを誰も塗り替えることはできず、予選1位、この時点で2位につけていた最終走者の麗楽の結果を待つ格好に。2本目の麗楽のFS1440は着地に嫌われてしまい、ただひとり1260で勝負に出ていたアンナの優勝が決まった。しっかりとした回転軸の3Dスピン、トラックドライバーのグラブ時間の長さなど、完成度が高かったことが勝因か。
 
女子でも4回転が当たり前というハイレベルになったことが、ベスト1カウント制になった要因なのかもしれない。しかし、このルールではほとんどのライダーが同回転のスピンで勝負に出るほかなかった。凍てつく寒さの中、コンクリートのように硬い雪上で巨大ジャンプに挑み勝負に出ているライダーたちにはリスペクトを表したうえで、昨シーズンまでの右回りと左回りの合算で争われるルールのほうが、見応えがあるように感じてしまった。言い換えれば、それほどまでに1440を含む超高難度スピンのメイク率が高かったということだ。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo: X GAMES

 

 

 

 

女子ビッグエア結果
1位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
2位 岩渕麗楽(日本)
3位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
4位 ミア・ブルックス(イギリス)
5位 鬼塚 雅(日本)
6位 深田茉莉(日本)
7位 ローリー・ブルーアン(カナダ)
8位 村瀬心椛

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