BACKSIDE (バックサイド)

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長谷川帝勝が今季2勝目。急成長中の深田茉莉が2位&新星の鈴木萌々が3位に入ったW杯ビッグエア速報

2025.01.06

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初開催となったオーストリア・クラーゲンフルトで行われたFIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)ビッグエアで、またも男女ともに日本人ライダーたちが表彰台を獲得。男子は長谷川帝勝が圧勝し今シーズン2勝目、女子は深田茉莉が2位、鈴木萌々が初のW杯決勝進出を果たして3位という好成績を収めた。
 
ひとり3本のジャンプを行い、回転方向の異なるベスト2本の合算で争われるおなじみのルール。会場はサッカースタジアムであるヴェルターゼー・シュターディオンに、W杯ビッグエア初戦のスイス・クール大会で使用されたジャンプ台が設置され、オーディエンスとの距離も近く、音楽と光を融合させた素晴らしい演出のもと、ファイナルの火蓋が切られた。
 
男子優勝の帝勝は1本目にCAB1800スイッチインディで89.75ポイントをマークし、続く2本目はFS1800インディを完璧に決めて90ポイントとし、計179.75ポイント。この時点でトップに立った。3本目はポイントの低い順に出走となるため、帝勝が最終走者となる。グラブは異なるものの帝勝と同じくFS1800とCAB1800を成功させていたイアン・マッテオリ(イタリア)が2位につけていた。イアンの3本目は着地に嫌われ、この時点で帝勝の優勝が決定。ウイニングランとなった3本目は、ゆったりとCAB540で宙を舞って魅せた。

同い年のスピンマスターによる同スピンバトルは、ジャンプの大きさ、ライディングスタイル、完成度、すべての面で帝勝がイアンを上回った。J SPORTSの生放送で解説を務めさせていただいている筆者は表彰式の直後にリモートで話すことができるのだが、「今大会は納得のいく滑りができた」という帝勝の力強い言葉を聞くことができた。これでクール大会に続いて2勝目。この調子で次戦、再びオーストリアで開催されるクライシュベルク大会に挑んでもらいたい。もうひとりのファイナリスト、木俣椋真は6位に終わった。

女子は茉莉がすごかった。1本目からスイッチBS1260トラックドライバーをパーフェクトストンプ。1本目だからこそ、残り2本で難易度の高いトリックが出ることをジャッジが想定しているので、ポイントのつけ方としては余剰を残すため低く出やすい傾向があるにもかかわらず、93.5ポイントを叩き出した。
 
さらに2本目にはBS1080のジャパングラブを披露。つかむ位置が似ているウェドルは回転方向に従っているグラブのため回しやすいが、そこから反る動作が入るジャパンは一瞬回転が止まっているように見えるため筆者の目には回しづらいように映っていた。大会直後に茉莉に聞いていみると、本人は回しやすいとあっさり答えていたが、ジャッジもその点は大きく評価したようで、88.75ポイントと高得点。これでトータル182.25ポイントでトップに立った。初戦に続いて茉莉の今シーズン2勝目となるか。
 
女子3本目も男子同様に出走順がポイントの下位からとなるため入れ替わり、茉莉は最終走者。その手前には前回の北京大会の覇者であるミア・ブルックス(イギリス)が控えている。CAB1080スイッチメロンとBSダブルコーク1260ウェドルで計170.75ポイントと茉莉と10ポイント以上の差が開いていた状態で臨んだ3本目。1本目の上書きとなる、CAB1440スイッチメロンをメイクしたのだ。男子でも5回転が勝敗を分けるジャンプ台にもかかわらず、女子で唯一の4回転に成功。95.75という驚異的なポイントを叩き出し、茉莉のポイントを2ポイント上回る184.25ポイントとして大逆転劇を披露した。

そしてあとがなくなった茉莉は3本目、2本目のBS1080から1回転増のBS1440ジャパンで勝負に出るも、着地に嫌われてしまった。前述したことを踏まえれば、1440を繰り出せること自体がすごい。しかも、しっかりとソール面から合わせにいっており、付け焼き刃ではないことを感じさせる空中遊泳だった。2位に甘んじてもきっと収穫があったことだろう。
 
初の表彰台となった萌々は2本目に82.25ポイントを記録したFS1080メロンを決めており、3本目は1本目のBS720の上書きを狙うまでは予想できたのだが、放ったトリックは想定外だった。BS1080ならまだしも、それをさらに上回るBS1260メロンを決めたのだ。84.5ポイントを獲得して3位にランクイン。そのまま表彰台を射止めた。

以外のファイナリストとして岩渕麗楽はFS1080ステルマスキーなどを決めて4位、村瀬心椛はCABトリプルコーク1260を2本とも決めることができずに8位に終わった。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 
男子結果
1位 長谷川帝勝(日本)
2位 イアン・マッテオリ(イタリア)
3位 オイヴィン・カークス(ノルウェー)
6位 木俣椋真(日本)
34位 木村葵来
42位 宮村結斗
全結果はこちら
 
女子結果
1位 ミア・ブルックス(イギリス)
2位 深田茉莉(日本)
3位 鈴木萌々(日本)
4位 岩渕麗楽(日本)
8位 村瀬心椛(日本)
全結果はこちら

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