ショーン・ホワイトが立ち上げたハーフパイプ頂上決戦「THE SNOW LEAGUE」の開幕戦が、2025年3月7日（金）、8日（土）の2日間、「X GAMES」の開催地としておなじみの米コロラド州アスペンで行われることはすでにお伝えしている（記事はこちら）が、そのリーグ戦への登録ライダーがついにアナウンスされた。

ワールドスノーボードポイントリスト（WSPL）の順位により、1シーズン目は男子20名、女子16名の計36名のライダーが登録されることになった。現在のところ32名が確定しており、残り4つの出場枠については、今後のコンテスト結果に基づいて割り当てられるワイルドカードとして確保されている。賞金総額は、なんと150万ドル（約2億3千万円）と桁違いだ。

全出場ライダーは以下に記すとして、まずは日本人ライダーをチェックしていきたい。北京五輪金メダリストの平野歩夢を筆頭に男子は、戸塚優斗、平野流佳、平野海祝、重野秀一郎、山田琉聖の6名、女子は小野光希、冨田せな・るき姉妹の3名の計9名が参戦する。最年少となる韓国のチェ・カオンとイ・ジオはともに2008年生まれの16歳。先日、中国・北京で行われたFISワールドカップ（以下、W杯）に初出場を果たした清水さらは予選を1位通過し、工藤璃星は決勝で転倒してしまったがバック・トゥ・バック1080を披露するなどポテンシャルの高さを示したが、15歳のふたりは選出されなかった。ショーンを含めたアメリカが中心となって選定しているだけに、まだ情報が少ないのだろう。

また、FSトリプルコーク1620を世界で初めて成功させたイ・チェウン（韓国）、表彰台の常連なので意外だったがW杯での初優勝を決めたばかりのマディ・マストロ（アメリカ）ら、強豪がひしめく。SNOW LEAGUEの創設者であるショーンは、今般の発表に際して次のようにコメントしている。

「これはハーフパイプを極めたアスリートたちの夢の顔ぶれです。出場するライダーたちはみな、競技とトリックの限界を押し広げており、アスペンでこのイベントが開催され、新しい競技形式で彼らがどんな活躍をするのか、見ることを待ちきれません。SNOW LEAGUEは単なるコンテストではなく、スノーボードの最高峰を祝う舞台なのです。このような素晴らしいプロたちがさらなる高みに到達するお手伝いができることを、心から光栄に思います」

ショーンが言っている“新しい競技形式”については、こちらの記事を参照してほしい。しかし、北京五輪銀メダリストのスコッティ・ジェームス（オーストラリア）と、平昌、北京と2大会連続オリンピック金メダリストのクロエ・キム（アメリカ）の名前がないのが気になる。このふたりがいない時点で、ハーフパイプ世界一決定戦とは言えなくなるからだ。

運営側に問い合わせると、クロエについてはミラノ五輪に向けたスケジュールが過密すぎるため参戦を回避したようだ。しかし、今年6月にフランス・カンヌで行われたローンチ発表会にクロエは駆けつけており、SNOW LEAGUEを応援してくれているとのこと。スコッティについては詳細を把握していないとの回答があった。彼は「X GAMES LEAGUE」の戦略的アドバイザーという立場にいるため、同じリーグ戦への参戦を見合わせたということなのだろうか。

とにもかくにも今シーズン、総額およそ2億3千万円の賞金をかけた36名のライダーたちによるパイプバトルの火蓋が切られる。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）

 
MEN’S FIELD
アレッサンドロ・バブリエリ（16）アメリカ
平野歩夢（25）日本
チェイス・ブラックウェル（25）アメリカ
チェイス・ジョージー（29）アメリカ
イ・チェウン（18）韓国
デビッド・ハブルッツェル（28）スイス
イ・ジオ（16）韓国
ジョーイ・オケソン（21）アメリカ
平野海祝（21）日本
ルイ・ビトー（36）イタリア
ルーカス・フォスター（24）アメリカ
パット・バーグナー（30）スイス
平野流佳（22）日本
山田琉聖（18）日本
重野秀一郎（18）日本
ヴァレンティノ・ギュゼリ（19）オーストラリア
ワン・ズーヤン（21）中国
戸塚優斗（22）日本
 
WOMEN’S FIELD
ベア・キム（17）アメリカ
ベレニス・ウィキ（21）スイス
ブルック・ドント（19）カナダ
エリザベス・ホスキング（22）カナダ
チェ・カオン（16）韓国
リュウ・ジャユ（31）中国
マディ・マストロ（24）アメリカ
マデリーン・シャフリック（30）アメリカ
小野光希（20）日本
ケラルト・カステリェト（35）スペイン
冨田るき（22）日本
冨田せな（24）日本
ソノラ・アルバ（18）アメリカ
ツァイ・シュートン（30）中国
 
※英表記のアルファベット順