NEWS
「雪がなくなったら、全員負け。」スノーボーダーたちが一丸となり気候問題に対して声高に叫ぶ
2024.10.09
10月8日、北海道新聞と信濃毎日新聞の朝刊に強烈なメッセージの広告が掲載された。また、BURTON(バートン)やPATAGONIA(パタゴニア)、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)、KEEN(キーン)などの複数店舗にも同様のポスターを掲出。そのメッセージとは「雪がなくなったら、全員負け。」──インパクト絶大な言葉である。その言葉をひっさげ、“地球には冬が必要だ”をスローガンに掲げて気候変動から冬を守る活動に取り組むProtect Our Winters(POW)Japanと、その気候変動の影響を直接的に受けるアウトドアコミュニティと連帯して作られた共同提言書を含め、政策や社会に働きかけるアクションとして「VOICE from the OUTDOOR COMMUNITY」が、東京・原宿に位置するBURTON FLAGSHIP TOKYOで行われた。
スノーボーダーに対しては言うまでもなく、世界中の多くの人々が気候変動問題について痛感していることだろう。猛暑や異常気象による未曾有の自然災害が世界各地で多発し、暮らしやビジネスにまでその影響は広がっている。気温上昇を抑えるためには世界で合意されている「1.5℃目標」を達成しなければならない。1.5℃目標とは、パリ協定で定められた世界の平均気温上昇を産業革命前から1.5℃以内に抑えるという目標数値。その目標を達成させるべく、気候・エネルギー政策を1.5℃目標に整合させるよう、政治に働きかけるためにアウトドアコミュニティが立ち上がったわけだ。
POW Japanは特設サイトを公開し、「愛する冬を守るために、私たちが今できること」を3つ紹介している。①気候危機により雪が年々減っている事実を伝えること、②「1.5℃目標」に整合した気候変動政策を求めること、③気候変動対策に積極的に取り組む企業や議員を応援すること、である。
雪がなくなって困るのは、僕たちスノーボーダーやスキーヤー、メーカー、リゾート、宿泊施設だけではない。POW Japanが発信した広告にもあるとおり、雪解け水を必要とする農家や動物にとってもなくてはならない、大自然からの恵みなのだ。
改めて、BURTONが制作したムービー『雪山と地球の未来を守るために』をご紹介したい。一人ひとりが気候変動に対してできる行動は小さいのかもしれないが、それが束になることによって大きなムーブメントを起こすことになる。今一度、胸に手を当てて考えてみてはどうだろう。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)