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ショーン・ホワイトが立ち上げたプロリーグ「THE SNOW LEAGUE」の大会形式が発表。これまでにない斬新なルール
2024.09.13
今年6月、ショーン・ホワイトがハーフパイプ競技のプロリーグ「THE SNOW LEAGUE」を立ち上げたことは周知の事実だろう。弊ウェブマガジンでも速報としてお届け(記事はこちら)し、大きな話題を集めたわけだが、コンテストのフォーマットが発表された。これまでにはない斬新なルールだ。
その前に、SNOW LEAGUEについて簡単におさらいしておくと、2025年3月に開幕するスノーボードとフリースキーのハーフパイプ競技のプロリーグであり、それぞれ選りすぐられた男子20名、女子16名のライダーたちが名を連ねる。1シーズンの賞金総額は150万ドル(約2億1182万円)。ショーン自身がコンテストを通じて経験してきたライダー文化に対する感謝の気持ちを強く持っており、次世代のスーパースターを輩出するための舞台としてSNOW LEAGUEを設立した。詳細については先出の記事に譲るとして、ここからが本題。
SNOW LEAGUEは新しいコンテスト形式として、従来のハーフパイプ競技に新たな視点を取り入れた。よりライダーたちが創造的なランを表現できるよう、多くの機会を提供する。
まずは4つのヒートに分かれた予選で2本のランが行われ、各ヒートの1位のライダーたちは直接、チャンピオンシップデイの準々決勝へコマを進める。2位と3位のライダーは「ラストチャンス予選」に進み、計8名のライダーたちが2本のランを行い、上位4名がチャンピオンシップデイに進出。計8名のライダーたちによるヘッド・トゥ・ヘッド(トーナメント方式)で優勝が争われるという大会フォーマットだ。
チャンピオンシップデイのルールが非常に面白い。準々決勝、準決勝、決勝ラウンドはそれぞれ3本のランを行いベストポイントが採用されるおなじみのルールなのだが、その3本のうちライダーたちは必ず、フロント/バックサイドの両サイドからドロップインしなければならないのだ。
ハーフパイプの全長や斜度、高さなどは会場によって異なるため、ライダーたちは自分の持ち技を踏まえて大会ごとにベストルーティンを組み立てている。リップラインに対しての進入角度が違うように、ライダーたちはそれぞれ滑走ラインが異なるうえに、繰り返しになるが全長や斜度が会場によって異なるため、ヒット数(飛べる回数)が大会ごとに変わってくるのである。
その構成によってフロント/バックサイドのどちらからドロップインするかを決めているわけだが、両サイドからのドロップインとなると、ルーティンの変更を余儀なくされることは言うまでもない。よって、出場ライダーたちはこれまで以上にルーティンの幅や持ち技が求められると同時に、より自らを表現する機会が増えるわけだ。オーディエンスにとっては多様な演技構成を観ることができるのだから、面白くなるに決まっている。
しかし、平野歩夢のバック・トゥ・バック(連続)トリプルコーク1440のに代表されるように、近年のルーティンは超高難度化しているため、3本のランで1回成功するかしないかというレベルにまで到達している。両サイドからのドロップインが強いられることで、超高難度ルーティンを成功させるのは困難になるのかもしれない。言い換えれば、高難度化よりもクリエイティビティが求められるようになる可能性も秘めている。
この原稿を書いていて筆者もワクワクしてきた。SNOW LEAGUEのローンチが今から楽しみでならない。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)