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スノーボードがチームスポーツになる。「X GAMES」がF1からインスピレーションを受けた新リーグ発表

2024.06.14

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コンテストシーンに革命が起こる。「X GAMES」は2026年に、個人スポーツであるスノーボードにチーム制を導入すると発表した。

先日紹介した「スノースポーツ界長者番付トップはショーン・ホワイト。その推定資産額は?」の記事内で触れているのだが、ショーンは「THE SNOW LEAGUE」というイベントシリーズを立ち上げようと目論んでいる。いったい今、アメリカのスノーボード界で何が起こっているのか。

長文だが、プレスリリース全文の内容を以下にご紹介する。

「30年にわたりアクションスポーツの大会をリードしてきたX GAMESは、2026年に大胆で新しい世界的なチームベースのフォーマットを導入します。MSP SPORTS CAPITAL(以下、MSP)が支援する「X GAMES LEAGUE(以下、XGL)は、X GAMESに通年の国際大会カレンダーを提供し、既存の賞金総額240万ドル(約3億7747万円)以上の報酬をアスリートが獲得できるようにします。

X GAMESのエグゼクティブチェアマンであり、MSPの中心人物であるジェフ・ムーラッド氏は、次のようにコメントしています。『要するに、我々は新しいXGLのモデルとして、フォーミュラ1を利用したのです。そのために、年間を通したカレンダーを作成し、X GAMES全体の成長を加速させる新たな商業的機会を導入します。これらの機会は、私たちのもっとも重要なステークホルダーであるアスリートたちに、安全かつ持続可能な未来を提供するものです。非常に価値のあるX GAMESのブランドを活用することで、アスリート、ファン、投資家、スポンサーにとって有益な、耐久性のあるグローバルなビジネスを創造していきます』

チームは新しいXGLの重要な構成要素となり、複数の種目のアスリートで構成されます。アスリートたちは個人賞金とチーム賞金を獲得するために、個人とチームのポイントで争います。

MSPとX GAMESは、これら新チームの出資者を確保し、チーム出資者とXGLアスリートは、スポンサーシップやチーム専用グッズなどを生み出すためのプラットホームを手に入れ、さらなる収益源を構築することが可能になります。業界初の試みとして、XGLのアスリートには保証された報酬と商業的機会を含む安定性が提供されることになります。

X GAMESはアクションスポーツの季節的な性質を引き続き取り入れ、夏のXGLと冬のXGLをそれぞれ導入する予定です。大会のスケジュールには、X GAMESの特徴的なイベントのほか、既存の大会との戦略的なコラボレーションも含まれます。

X GAMESの社長兼COOのスコット・グリエルミノ氏は、『X GAMESの中心は常にアスリートです。この新しい一環したリーグとチーム体制は、アスリートにとってより多くの競技機会を提供し、商業的にも成功させるでしょう。また、ファンにとっても好きなアスリートやチームを年間を通して観ることができ、応援する機会が増えると思います。MSPがこの分野に投資して以来、私たちはこの開発を進めてきましたが、アスリートを含む業界全体の主要なステークホルダーは、非常に協力的でした』と語っています。

X GAMESの戦略的アドバイザーであり、9個のメダルを獲得しているスコッティ・ジェームスは、『現役アスリートとして、また、X GAMESのアドバイザーとして、この新しいフォーマットがもたらすチャンスに興奮しています。長期的なビジョンは、このアクションスポーツを世界レベルで成長させるだけでなく、アスリートにこれまで以上の安定性を提供することを目的としています。アクションスポーツにおける安定した持続可能なキャリアパスの恩恵を初めて受けることで、パフォーマンスにより集中できるようになるのです』とコメントしています。

スコッティのほかに、オリンピックで2大会連続金メダルを獲得し、X GAMESでも金メダリストに7度輝いているクロエ・キム、グラミー賞受賞プロデューサーでありDJのディプロ、eスポーツ界のスーパースターであるニンジャらがX GAMESへの出資者として名を連ねています。X GAMESは、MSPのリーダーシップのもと、過去12ヶ月でストリーミング視聴者数が113%増加し、ソーシャルフォロワーが160万人増えるなど、すでに大幅な視聴者数増を達成しています。

X GAMESのリーグ設立に助言したのは、国際的な法律事務所であるプロスカー・ローズLLPです。この事務所は、世界中の老舗スポーツリーグ、新興スポーツリーグ、チーム、そして投資家の代理人として業界をリードしているのです。MSPは2022年10月にX GAMESの所有権を取得し、ESPNは少数株を保有しています」

昨年7月に配信した「スコッティ・ジェームスが投資家兼ブランドアドバイザーとしてX GAMESに参加」の記事を振り返ると、スコッティはシンガーソングライターであり、有名F1チームのオーナー令嬢と結婚している。最近、第一子を妊娠中であることを自身のSNSで公表したばかりだ。XGL誕生の背景には、ジェームス夫妻の意向が大きく反映されているのかもしれない。

2026年、これまでの個人スポーツから劇的な変化を遂げることになる。例とした挙げると、スノーボード・ハーフパイプとスキー・スロープスタイルのライダーが同じチームに所属し、チーム名を含めてブランディングがなされ、スポンサーを募ることはもちろん、チームグッズなどが販売されたりするということなのだろう。チームにファンがつくことで、これまで以上にいろいろな競技を観ることにもつながり、さらに視聴率を上げるという狙いも透けて見える。

2026年1月に開催されるアスペン大会から導入されるのかどうか定かではないが、続報を待ちたい。
 

プレスリリース前半の内容が記されている

 

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