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フリーライドがオリンピック種目化の可能性高まる。FISが正式種目として認定

2024.06.06

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FIS(国際スキー・スノーボード連盟)がFWT(Freeride World Tour)を買収し、22−23シーズンから活動をともにしてきたことは周知のとおりだが、6月5日、アイスランドの首都・レイキャビクで開催されたFIS総会においてフリーライドが正式種目として承認された。この決定により、フリーライドがオリンピック種目になる可能性が一気に高まったわけだ。
FWTの創設者でありCEOのニコラス・ヘイル・ウッズ氏は、「これは始まりにすぎません。私たちの目標は、グラスルーツからエリート大会まで、あらゆるレベルでこのスポーツを育成し、将来的に冬季オリンピックの代表格としてフリーライドスキー&スノーボードが認知されるようにすることです」とコメントしている。さらに氏は、次のようにも語った。
「フリーライドコミュニティにとって重要な日となりました。フリーライドスキー&スノーボードがFISの公式種目として承認されたことは、このスポーツを向上させ、世界中のアスリートに新たな機会を提供することになります。この事実がフリーライドムーブメントを巻き起こし、その先にもたらす将来の展望に私たちは興奮しています」
また、FIS会長のヨハン・エリアシュ氏は、「FISは、あらゆるスノースポーツをすべての人のために提供する機関です。FISがフリーライドのような新興種目を全面的に受け入れるのは当然のことです。彼らをファミリーの一員として迎えることができ、感激しています」とコメントした。
パイプ&パーク種目以上に、自由に滑ることが大前提にあるフリーライドのジャッジが難しいことについて異論はないだろう。元来ハーフパイプではスピンではなくグラブトリックの個性が重んじられ、スロープスタイルやビッグエアでは高回転スピン以上に低回転スピンのクールさが一目置かれていたように、フリースタイルスノーボーディングを表現するうえで必要不可欠なトリックたちが、競技化の加速とともに影を潜めていった。オリンピックの正式種目化により加速度的にトリックの技術力が進化したことで、FISが司るジャッジシステムは高回転スピンなどテクニカルな部分を最重視しているからだ。よって、勝つためには画一的にならざるをえない現状がある。
FWTがオリンピック種目を目指すことで、フリーライド大会にどのような未来が待っているのか。その意義や課題について、徹底的に議論するべきだ。今後の動きに注視していきたい。

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