BACKSIDE (バックサイド)

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LIB TECHの名作ボードに群馬の老舗プロショップが新たな息吹を吹き込んだ「SON OF BIRDMAN」誕生

2024.05.20

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1988年に誕生したLIB TECH(リブテック)は数々のボードを世に送り出してきたわけだが、2011年から6年間のみ発売されたBIRDMANに対して想いを馳せるスノーボーダーは少なくないのかもしれない。パウダーライディング時の浮力は申し分なく、荒れたバーンでも高い走破性を誇り、ピステンバーンでのカービング性能も抜群。
そんなBIRDMANに魅せられたひとりの男、群馬・前橋に位置する老舗プロショップ・TRICKSTARを営む坂林聡樹氏は2018年、このBIRDMANを超限定モデルとして一度復刻させている(記事はこちら)。このときは、LIB TECHファンが愛してやまない創設当初のグラフィックであるマーク・ゲイル氏が描いたスケルトングラフィックをトップシートに模してのリバイバルだった。
しかし、それすらもシーンから忘れられつつある今。坂林氏はLIB TECHの日本販売代理店であるアドバンスマーケティングに自身の想いを訴え続け、その声が本社であるアメリカ・ワシントン州に拠点を構えるマービン・マニュファクチャリングに届いたのだが……。BIRDMANのモールド(モデルごとに異なるボードの型)がすでに廃棄されている事実を突きつけられた。それでも坂林氏は諦めきれずに熱い想いを伝え続けた結果、マービン創設者のひとりであるピート・サリ氏がモールドの再生を許可してくれたのだ。
これに有頂天にならず、坂林氏は考えた。一度、世の中から消えてしまったBIRDMANを復活させるという、まさにゾンビのような計画は、はたしてそのままノルタルジーに浸って作ることが真の復活を意味するのか?と。それでは、ただのリバイバルになってしまうという結論を導き出した。
そこで、BIRDMANに乗っていた人ならば誰もが感じていただろう、ある欠点に坂林氏は着目した。ターン中に最高の気持ちよさを味わっている中で、わずかなテールの抜けがあったそうだ。これを変えるため、BIRDMANの最高級の乗り心地はそのままに、最後に抜けるのではなくポップするテールを持つディレクショナルマイルドキャンバーボードを求めることに。そして、安定感を高めるウエスト幅を有するボードに生まれ変わるべきだと、坂林氏はマービンに伝えた。
さらにグラフィックには、2011年に発表されたSKUNK APEに採用され、その後、決して復刻されることがなかったクインシー・クイッグのマスターピースを採用。もともとSKUNK APEは販売量が少ないうえに、東日本大震災が重なったことで流通が滞り激レアな存在であるゾンビのグラフィックを施すことにした。一度亡くなったBIRDMANが蘇るということは、やはりゾンビになるということなのだと、坂林氏は語る。
 

坂林氏とSON OF BIRDMAN

 
そして生まれ変わったBIRDMANは、「SON OF BIRDMAN」と銘打たれた。BIRDMANを父に持ち、その息子は母親を知らない異端児のゾンビ、というコンセプトだ。プロショップの別注であり、それがTRICKSTARで先行発売される。加えて、このボードがLIB TECHのラインナップに加わる可能性が高いのだと、坂林氏は教えてくれた。
最後に氏は、この熱き想いが込められたプロジェクトについて、次の言葉で締めくくってくれた。
「非常に数少ない生産量なので、出会うチャンスは本当に少ないかもしれません。しかし、闇夜から生き返ったSON OF BIRDMANは飢えたゾンビとなり、ところ構わずゲレンデをむさぼり、深雪を喰い散らかし、パウダーのうねりを上げ、行く場所を選ばずに暴れまわりながら、母親を探し続けることでしょう。そんな彼を山奥に連れていき、彼の本当の母親に会わせることができるのでは、LIB TECHをこよなく愛するあなたなのかもしれません」
 

SON OF BIRDMAN
▷全長: 160、165、170cm
▷価格: 189,200円
▷予約開始日: 6月中旬予定

 

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