BACKSIDE (バックサイド)

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初心者からトップライダーまでが一堂に会した「BOMB」でスノーボードのカッコよさを知る

2023.11.26

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かつては茨城・龍ケ崎や東京・多摩にあったカムイ系列、東京・板橋や岐阜・羽島などに存在したスノーヴァ系列、さらに、愛媛のアクロス重信や福岡のビッグエア福岡といったフリースタイルに特化した屋内ゲレンデが、日本各地に点在していた。現存するのは山梨の「カムイみさか」と神奈川の「スノーヴァ新横浜」の2箇所のみとなってしまったわけだが、次世代を担う若手スノーボーダーたちが集まり、それぞれの施設で新しいムーブメントを巻き起こしている。多種多様な年齢・レベル・滑走スタイルのスノーボーダーたちが狭いコースに集結するというそれぞれの特性により、面白い化学反応が起こっているのだ。
 
10月上旬に岡嶋翔空が中心となってカムイみさかを舞台に開催したオールナイトセッションイベント「MEET」の様子や翔空の想いについてはこちらの記事で取り上げた。本記事では、さる11月4日にスノーヴァ新横浜にて開催された「BOMB」の様子をお届けする。言わずと知れた世界レベルのライダーたちから初心者までもが一堂に会してスノーボードを楽しんだ、シーズンインにもってこいのイベントだ。

 

100人を超えるスノーボーダーたちがスノーヴァ新横浜に集結した

 

「僕自身はライダーではないですが、過去にライダーの友達やプロショップにお世話になったことで、スノーボードがさらに好きになったんです。同じように、ライダーやプロショップのことなど、スノーボードのカッコいい部分を初心者や初・中級者の人たちに知ってもらうことを目的として、BOMBを開催しています。このイベントで同じ価値観を共有する人を見つけて冬、一緒に滑るスノーボード仲間を作ってもらえたら最高ですね!」

BOMBを主催する5人のリーダーである俊長尚孝はイベントの狙いについて、このように語ってくれた。こうした主催者側の思惑どおり、イベント当日のスノーヴァ新横浜は、さまざまなライダーやブランド、プロショップについて知ることができる空間と化していた。基本的にはみなで滑るセッションイベントなのだが、とにかく“楽しんでいる”来場者には、主催チームとゲストライダーからBOMBステッカーが手渡される。イベント終了までにより多くのBOMBステッカーを持っていた者に、ブランドや全国各地の協賛プロショップから豪華プレゼントが贈られるという仕組みだ。また、ARBOR SNOWBOARDS(アーバー スノーボード)とK2 SNOWBOARDING(ケイツー スノーボーディング)がブースを出展しており、Instagramをフォローすればステッカーをゲットしたうえに試乗もできるなどライディングのレベルを問わず、多くの参加者にとってうれしいコンテンツが目白押しだった。

そして何より、ゲストライダーたちの刺激的な滑りを間近で見られることが、このイベントの醍醐味だろう。ライダー側も来場者と積極的にコミュニケーションを図っている姿が印象的だった。

 

「オレらの世代(のライダーたち)は全然イベントができていないので、こうやって毎年、しかもオフシーズンにこういう場所を設けているのはすごくいいことだと思うし、リスペクトです。今けっこうジブは人気が出てきてると思うんですが、それ以外の遊び方も含めて結局すべてがスノーボードなので、来場してくれた人たちには屋内でもいろいろなラインで遊べることを(自分の滑りを通じて)示せたらいいな、と思います」──玉村隆

 

「スノーボードが好きなみんなと会えるだけでオレ自身もうれしいです! まず自分自身が最高に遊ばせてもらいました。こういう場だと新しいつながりも生まれて、スノーボードのネットワークが広がりますよね。この風を東北にも持っていきたいです。こういう(初心者からライダーまでがつながれる)イベントって少ないから、今日スノーボードするのが初めてという子たちにライダーが木の葉滑りを教えていたりするのも、BOMBならではの光景ですよね!」──藤倉海人

 

BOMBにはなんと、この日初めてスノーボードにまたがるという若者も来場していた。日本のストリートシーンを世界レベルにまで押し上げた第一人者である戸田真人から直々に木の葉滑りを教えてもらえるという、なんともうらやましい光景が見られた。

 

「昔の屋内ゲレンデのイベントみたいに、みんなでワチャワチャやって楽しんでいる感じがあって。これがスノーボードのイベントだな、っていう雰囲気が心地よかったです! スノーボードが初めてという人も来場していたので、初めてならやっぱり楽しい思い出にしてほしくて、一緒に滑ったりもしましたね」──戸田真人

 

「めっちゃ人が多かったですね(笑)。スノーボードのイベントって毎回同じ顔ぶれになることが多いんですけど、BOMBははじめましての人たちばっかりで、すごく幅広い層が集まっていると思いました。私自身、ライダーに憧れる気持ちからスノーボードにハマっていったので、来てくれた人もこういうイベントで憧れのライダーに出会ってもらえたら、すごくうれしいですね」──植木玲名

 

ほかにもさまざまなライダーが来場しており、イベント中、至るところから歓声が上がっていた。前出の戸田など、トップジバーたちを抱える国内最強ストリートクルー「DIRTY PIMP」の映像に多数出演する高森日葵や、屋内ゲレンデでクリエイティブなラインを描く様子をInstgramで発信している相澤亮や長澤颯翔がスタイリッシュなライディングを披露。狭い空間だからこそ、スノーボードのカッコよさが凝縮された4時間だった。

 

イベント終盤にはベストトリックセッションが用意されており、腕に覚えがある者は競い合うようにドロップを繰り返していた。選ばれた者にはK2からのプレゼントが

 

協賛メーカーやプロショップから多数アイテムが集まっていた。当選者にはライダーからアイテムが手渡しされており、受けとった参加者にとっては忘れられない宝物になったことだろう

 

「キッカケは自分が働いていたPASTIMEっていうスノーボードショップに、自分たちくらいの若いお客さんをもっと呼ぶためのイベントを、ショップライダーである(渡辺)翔と(榎本)遼太と一緒に企画したことです。スノーボードのイベントで初心者や初・中級者が入りやすい雰囲気で、かつ若者に向けたものっていうのが当時の自分たちのまわりにはなかったので、初心者や初・中級者にスノーボードのカッコいい部分に触れてもらって、さらに好きになってもらうイベントとして、BOMBの前身となる『YOUNG BOMB』を立ち上げました。今はもう年齢制限はなくしているんですが、来場してくれた方の口コミの力でイベントに集まってくれるライダーたちも増えて、そのおかげで今の形があるんです。今後は来場してくれた人同士はもちろん、ライダーと来場者のコミュニケーションもさらに活発にしていきたいと思っています。BOMBに来たらスノーボード仲間ができる、そんなイベントに成長させていきたいです」

こう語ってくれた俊長たちが開催し続けているBOMBは、今回で5回目の屋内ゲレンデでの開催となった。回を重ねるごとに、幅広いスノーボーダーたちから愛されるイベントへと進化を続けているわけだ。フリースタイルスノーボーディングを愛する同志たちと出会うには絶好の機会となっているので、来年度の開催時にはぜひ参加してみてほしい。

 

BOMBの主催チームたち。左から岡本航、俊長尚孝、渡辺翔、榎本遼太、前本恵

 

text: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
photos: Atwosee

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