BACKSIDE (バックサイド)

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17歳のイタリア人が世界初のFS2160に成功するも有名映像作家の発言が物議を醸す

2023.11.23

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イタリアの17歳、イアン・マッテオリが世界初の偉業を成し遂げた。2022年4月、スイスのクラン・モンタナで開催されていた「THE NINES」の特設キッカーで、当時16歳だった荻原大翔が世界初となる6回転スピン、BSクイントコーク2160を決めたことは記憶に新しいだろう。あれから1年半の歳月を経て先出のイアンは、オーストリア・スチューバイの地で、得手不得手はあれど高回転スピンを生み出すにはバックサイドよりも難しいとされているフロントサイドスピンで6回転に成功したのだ。
その動画がSNSにポストされると称賛のコメントが多数寄せられる中、映像作家として世界的に名高い“ジンバルゴッド”ことスペンサー・ホワイティングが綴ったコメントに、業界がざわついている。
「おいオマエ、もっとゆっくり回せ。グラブを学べ。ポークしろ。そして(2160の前に)1800を上手くやれ」
さる9月、長谷川帝勝の全4方向1980や村瀬心椛が女性初のBSトリプルコーク1440に成功したとき、同じく高回転スピンの歴史が塗り替えられた瞬間ではあったものの、こうした議論は巻き起こらなかった。この違いは何か。それはやはり、表現力であり実績もあるのだろう。
帝勝の1980は雪面に対してボードをフラットに近い状態で回しているのに対し、イアンのFS2160はスイングウエイトを軽減するためにボードを縦にしていること。加えて、昨シーズンのFISワールドカップ・ビッグエアで3位と初の表彰台を射止めたものの、今シーズンの開幕戦となったビッグエアでは決勝にコマを進めるも11位と、ここから上昇気流に乗るのかもしれないが現時点では、帝勝に比べると実績が足りていないことも要因なのかもしれない。
ジンバルゴッドのコメントに対して、「確かに好き嫌いは分かれるけど、このトリックは今までになかったものだから尊敬に値する」「オイ黙ってろ」など、否定的な意見が続出。いわゆるプチ炎上しているわけだ。こうした議論が交わされるのはフリースタイルスノーボーディングのいい部分でもあり、一般の人たちからすればややこしさが強調される。スポーツで世界記録が樹立された際、ドーピングやプロダクトのルール違反などがないかぎり、否定的な意見が出るケースは稀なはずだ。
日本人スノーボーダーはイアンのことを知らないという人が多いと思うので、最後に補足を。2005年12月生まれの彼は、前出の大翔と帝勝の同い年にあたる。2026年のオリンピックはミラノ・コルティナ大会なのでイタリア開催だ。彼ら全員が20歳で迎えるミラノ・コルティナ五輪ビッグエアが、より面白くなる。
 

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