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日本のフリースタイルシーンを形作ったRED EYES’ FILM25周年作品『RECCA』予告編
2023.11.11
「日本人スノーボーダーのムービースターを誕生させたい」──1999年、こうした想いでRED EYES’ FILM(以下、REF)は誕生。21世紀初頭の日本フリースタイルシーンを牽引する存在だった。
作品としては2010年の『DRIVEN』が最後なので若手スノーボーダーはREFの存在を知らないかもしれないが、そのバトンを受け継ぐようにして中学時代から同プロダクションに出演していたカズこと國母和宏がSTONPをローンチ。以降もREFはカズの映像を撮り続けており、2018年にシグネチャームービー『KAMIKAZU』をリリースすると、権威あるライダー授賞式「POLL AWARDS」でRIDER OF THE YEARとMOVIE OF THE YEARを獲得。カズは事実上の世界一のライダーでありムービースターとして認められたことで、20年近くの歳月をかけてREFが掲げた夢は現実と化したのだった。
こうしたストーリーを語るうえで、カズの先輩格にあたる中井孝治の存在は欠かせない。日本と世界との間にあった大きな壁を打ち破ったひとり、かつて世界トップに君臨していたムービープロダクション・MACK DAWG PRODUCTIONSに日本人として初めて出演し、2008年まで東京ドームを熱狂の渦に巻き込んでいた田原ライオがREFの共同創設者なのだが、彼のお眼鏡にかなったのが当時15歳の中井だった。ここがREFの原点なのだ。そして、その中井が中心にいた北海道のヤングガンクルー「真七人侍」の中にカズがいた。オリンピックも含めカズを誘うように先頭に立ち、日本フリースタイルスノーボーディング界の躍進に大きく貢献。今では世界中のスノーボーダーたちが、彼が開発したボードを待ち望んでいる。その中井が手掛けている映像作品『PURE JAM』の撮影もREFは行ってきた。
REFが誕生してから24年が経った現在。日本のフリースタイルスノーボーディングは激変した。ハーフパイプの国際大会で予選を通過できる日本人が誰もいなかった90年代後半という時代を経て、時を同じくして1998年に生まれた平野歩夢が昨年の北京五輪で金メダルを獲得。そして、歩夢の師であるカズは、繰り返しになるが滑りで己を表現する世界でトップにまで登り詰めた。
こうした熱く燃えたぎるようなライダー魂は次世代にしっかりと受け継がれており、中井とカズの軌跡も含めてREFが25周年を迎えるタイミングに14年ぶりとなる映像作品としてリリースする。タイトルは『RECCA』だ。増田塁揮、吉野あさひ、大久保勇利、村上史行、前出のライオらが出演、公開は2024年秋を予定している。
過去、現在、未来の日本のフリースタイルスノーボーディングが描かれている本作。公開まで1年近くあるが、大いに期待しようではないか。