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気候変動にアクションを。アウトドア愛好家たちが渋谷を練り歩いた「MARCH FOR THE DAY」
2023.09.28
今年の冬、日本各地は暖冬傾向であるとの予報が気象庁より発表され、嘆いているスノーボーダー諸君も多いのでは? 冬の山々に入り込み遊ばせてもらっている我々の生活は、降雪状況に大きく左右される。だからこそ、気候変動について敏感なスノーボーダーは数多くいるに違いない。その最先端にいるのが、2007年に仲間たちと「Protect Our Winters(POW)」を立ち上げたプロスノーボーダーのジェレミー・ジョーンズだ。そして、その日本支部の代表を務めるプロスノーボーダーの小松吾郎率いる「POW JAPAN」が、化石燃料や原発に依存しない社会を目指し、アウトドアコミュニティを代表して声を上げた。さる9月18日、東京・渋谷に位置する代々木公園で開催されたイベント「ワタシのミライ」にPOW JAPANは賛同し、「MARCH FOR THE DAY(THE DAYのための行進)」を合言葉に集まった仲間たちとともに、渋谷を練り歩くことに。密着した。

参加者が予想より多かったらしく、1時間遅れで全体の行進が始まった。待ち時間も道行く人にプラカードを掲げる参加者たち

代々木公園から公園通りを抜けてスクランブル交差点へ。イベント当日は祝日だったこともあり、渋谷に訪れていた多くの人が歩みを止めて見物していた
当日トークイベントに登壇した小松は、その降雪量によって観光業を成り立たせている豪雪地帯の街こそ再生エネルギーを採用すべきであることや、気候危機について仲間内で話すことはできるが、その一歩外に伝えるとなると途端に難しくなることなどを、長い雪国での生活から得られた経験をもとに話していた。オーディエンスにはアウトドアコミュニティに属していないだろう方々も多く見受けられ、気候変動による影響を受けている豪雪地帯の現状を知るキッカケになったことだろう。
「僕たちだけで気候変動について声を上げ、アクションを起こしても、残念ながらアウトドアアクティビティが好きな人たち以外には伝えることが難しくて。でも、様々なバックグラウンドを持った人たちが集まる今回のイベントのような場であれば、僕たちの現状を外の世界に伝えることができるんです。スキーヤーやスノーボーダーは自然の変化を目の前で見ているので、今何かおかしいことが起きていると感じている方も多いと思います。もし今思うことがあるなら、それを周りの人に伝えることから始めてほしい。個人でできることはたくさんあるし、それが積み重なれば自治体や政府の動きが変わって、社会に影響を及ぼすことだってできます。ちょっとハードルは高いけど、能動的なスノーボーダーであるならぜひ、周りの人に話すことからアクションを起こしてほしいです」

雪と密接に関わっている我々だからこそ、伝えられることがある。小松の話には現場で気候変動を感じる者としての重みがあった
本イベントにはブース協力という形で、スノーボード業界のリーディングブランドであるBURTON(バートン)が参加。BURTONのストアスタッフや本社スタッフたちが、パレード時に掲げるプラカード制作のワークショップを開いていた。

各々が伝えたい言葉をプラカードに描く。パレードはカラフルなプラカードで溢れていた
ブース内にはバートンジャパン合同会社の代表である竹鼻圭一氏の姿も見受けられ、弊ウェブマガジンのインタビューに対して、次のように語ってくれた。
「去年からバートンジャパンでは、気候変動がスノーボード業界に大きな影響を及ぼしていることを社員に積極的に伝えています。日本のスノーシーズンはアメリカと比べると短く、ライトユーザーの方が滑る機会なんて3ヶ月ほどです。でもそんな日本の雪を求めて、世界中から人が集まって、スノーボードに興じている。そこには性別や年齢、国籍も関係がない、非常に平坦なコミュニティが形成されていて、素晴らしいことだと思うんです。BURTONはスノー業界では、ある意味リーダーシップをとっていく立場です。雪があり誰もがスノーボードを楽しめる日本を未来に残すことが、我々の仕事であると捉えています」

「スノーボードがもたらすフラットなコミュニティの中で得られる経験は若い人にとってかけがえのないものである」と語る竹鼻氏。BURTONのボスが見据えているのは、次世代のスノーボーダーたちが活躍する未来だ

パレードに参加したBURTONのスタッフたち
都心部から極上のパウダースノーを味わえるスノーエリアまで、2〜4時間ほど。世界中と比べても、大自然の中で“THE DAY”を感じられるフィールドが日本にはたくさんあり、だからこそ我々には次世代にその雪を残す義務があるわけだ。未来にTHE DAYをつなぐためには世界規模で、小さなアクションの積み重ねが必要。雪を愛し、毎年その恩恵にあずかっているスノーボーダーから、アクションを起こしてみてはいかがだろうか。
text + photos: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
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