BACKSIDE (バックサイド)

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北極の今を知ることで地球を知る。雪の写真家・遠藤励の北極圏遠征プロジェクト

2023.09.23

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長野・大町を拠点に世界中のスノーボードカルチャーを切り撮り続けてきた写真家の遠藤励は2017年から、その軸足を北極圏に移している。世界中が異常気象による自然災害に見舞われている近年、「写真家にできることはなんだろうか?」と自問自答を繰り返し、彼は「POLAR EXPOSURE」と銘打った活動を開始した。
雪深い北アルプスの麓で生まれ育った遠藤は撮影はもちろん、自身のライディングを通じて“雪”について深く考え続けてきた。そうした背景があったことから、その活動拠点に選んだ地は、彼よりも雪との関わりが深い人々が住む北極圏。元来、原始的な暮らしにも興味・関心があったことから、そこで暮らす先住民族の今をドキュメンタリー作品として伝えていくことを目的としている。
 

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吹雪のため海氷のキャンプに備えるイヌイット

 
POLAR EXPOSUREの目的は、変容を続ける北極の大自然や先住民族の姿を単にアーカイブしていくわけではない。被写体である現地住民との信頼関係を構築し、生活をともにすることで、彼らの深層心理に触れ、理解し、そして明らかにしていくことだ。すでにグリーンランドへ4回、シベリアへ2回の遠征を行っており、そこで北極圏に住むイヌイットやネネツと呼ばれる先住民とともに生活し、数千年に渡って営んできた暮らしを目の当たりにしてきた遠藤。そこには、地球温暖化と近代化により、わずか十数年で大きく変わりつつある現実があった。
 

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地球最北の集落。安定した海氷が張る期間が短くなってしまっている

 
こうした現実を写真を通して伝えることで、今一度、地球上のみなで見つめ直していくことにつなげるため、遠藤は再び単独で北極圏を目指す。
そのプロジェクトを支援するためのクラウンドファンディングが、9月18日よりスタートした。12月13日(木)までを募集期間とし、おもな資金用途としては作品展の開催費、希少な作品群による250ページ超を想定しているアートブック『MIAGGOORTOQ』制作費、そして、1996年以降未踏の地とされているシベリア先住民の自然信仰にとってもっとも重要な聖域「最北の祭壇」への遠征費に充てられる。
またリターンとしては、アートブック『MIAGGOORTOQ』や写真プリント、フィールド音源などが用意されており、そのアートブックには地球最北の村で50年以上猟師として生活している大島育雄氏による寄稿が決定している。
スノーボーダーとして間違いなく共感できるこちらのプロジェクト、さらなる詳細についてはクラウドファンディング公式サイトをご覧いただきたい。
 

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「みなさんのご支援と拡散によって、より多くの人々が自分の生活に感謝し、みなで未来を見つめていくようになるキッカケにつながっていくこと。それがわたしの夢です」──遠藤 励

 

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