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ストリートで格闘する15歳 高森日葵が次世代を担う証「JASA AWARDS」を受賞
2023.05.17
国内でのアクションスポーツの認知拡大を目的として2012年に設立された、日本アクションスポーツ連盟(JASA)が主催する「JAPAN ACTION SPORTS AWARDS」。スノーボード部門だと過去には國母和宏や平野歩夢、鬼塚雅らが受賞したこともある、栄えある賞だ。東京オリンピックや北京オリンピックでの日本人選手の目覚ましい活躍は記憶に新しく、アクションスポーツの認知度が加速度的に高まっている現状を踏まえ、昨年度より、これからのシーンを担っていく12歳以上20歳未満の次世代ライダーへ贈られる「JAPAN ACTION SPORTS AWARDS NEXT GENERATION」へと、その姿を変えている。
今年度スノーボード部門を受賞したのは、高校生になったばかりの若干15歳にしてストリートを主戦場とする高森日葵(ひまり)と、22-23シーズンのワールドカップでスロープスタイル、ビッグエアの両種目にて優勝を遂げ”Tiger”の異名を世界へ轟かせた長谷川帝勝だ。残念ながら帝勝は米カリフォルニア州マンモスマウンテンで練習中のため不参加となり、さらに、千葉・ZOZOマリンスタジアムにて開催されていた「X GAMES」の2日目に予定されていた授賞式も悪天候のため中止となってしまったが、会場を訪れていた日葵に話を聞くことができた。
若くしてCAPITAのインターナショナルチームの看板を背負い、ストリートで日夜フッテージを残すべく格闘する彼女の想いに迫った。
高森日葵(たかもり・ひまり)
▷生年月日: 2008年1月18日
▷出身地: 愛知県一宮市
──JAPAN ACTION SPORTS AWARDS 2023 NEXT GENERATIONの受賞、おめでとうございます。これまでコンペティターが多く選ばれてきたアワードですが、ストリートでのフィルミング活動が認められての受賞は初めてのことです。感想を教えてください
このような素晴らしい賞をいただけて、とても嬉しいし、光栄です。今日本ではストリートなどの映像で表現している若い世代や女性のスノーボーダーが少ないと思うので、自分なりの映像表現を通して、その魅力をさらに広めていきたいと思っています。
──これまで競技ではなくストリートでの映像活動に力を入れてきた日葵さんですが、そのキッカケとなる出来事は?
ずっとスノーヴァ羽島(岐阜の室内ゲレンデ。2021年閉館)に通っていて、そこでGOLGODA(愛知・名古屋のプロショップ)のライダーやクルーと一緒に滑ったことや、小学3、4年生のときにDIRTY PIMPの試写会で映像を観たことがキッカケです。カッコいい滑りに触発されて、自分もストリートをやってみたい、と思うようになりました。
──ストリートでのフィルミング活動のとき、大切にしていることを教えてください
妥協せず、思い浮かべている形でメイクできるまで、映像を撮ってもらうことです。
──X GAMESの会場へ実際に来てみて感じたことは?
去年開催されていたX GAMESの女子スケートボード・ストリートを観て、とても刺激を受けたことを覚えています(今年は天候不良のため2日目は全競技が中止)。自分と同い年くらいの女の子たちが大舞台でストリート種目で活躍しているのは、すごくカッコいいと感じました。
──今後の活動や目標について、教えてください
もっとたくさんの人にストリートなどの映像を通して撮影活動することの素晴らしさを知ってもらいたいし、女性でも男性に負けないくらいカッコいい滑りを魅せられる、ということを証明していけるような映像を残していきたいと思っています。
これまで競技者が主に受賞してきた本アワードを表現者として獲得したことだけでなく、それをストリートシーンで射止めた日葵の功績は大きい。なぜかと言えば、オリンピック種目という側面をも持ったことで確実に認知度が高まってきている横乗りではあるが、欧米諸国に比べると文化の違いからか、日本ではストリートスノーボーディングというシーンにスポットライトが当てられることがまだまだ少ないからだ。一枚の板に乗って自由に自身を表現するライダーたちが、命をかけて臨む映像表現の世界を、読者諸君もぜひチェックしてみてほしい。
photos: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)