BACKSIDE (バックサイド)

BACKSIDE (バックサイド)

https://backside.jp/news-1122/
28496

NEWS

岩渕麗楽が悲願の金メダル獲得。大塚健は大逆転で2位に。X GAMESビッグエア結果

2023.01.29

  • facebook
  • twitter
  • google

岩渕麗楽が快挙を成し遂げた。米コロラド州アスペンで行われている真冬の祭典「X GAMES」ビッグエアにて悲願の初優勝を飾ったのだ。しかも、北京五輪ビッグエアでは成功できなかったものの世界中を感動の渦に巻いた、あのFSトリプルアンダーフリップ1260を決めて手繰り寄せた結果である。
 
30分間のジャムセッション形式で行われたため、結果的にひとり5本のランが許された。そのうち、回転方向の得手不得手があるため右回り(レギュラーのバックサイドとキャブ)と左回り(レギュラーのフロントサイドとスイッチバックサイド)のそれぞれでのベストポイントを合算したポイントで争われる本大会特有のルールだ。
 
岩渕は2本目にBS1260メロンを決めると、続く3本目。先述したFSトリプルアンダーフリップ1260にインディを加え、しかも超ロンググラブで完璧に成功したのだ。
 
これについて、平昌五輪ビッグエア日本代表で、現在は競技解説も務めるプロスノーボーダーの藤森由香にコメントを求めると、以下のように語ってくれた。
 
「昨シーズン『THE NINES』で初成功させた大技を、初めてコンテストで成功しました。女子の公式大会では初成功となったFSトリプルアンダーフリップ。ローリーも含めて(トリプルアンダーフリップに)トライするとは思っていたので、トリプル合戦になるのは間違いないとは読んでいましたけど、この大会での初トライで麗楽はトリプルを成功しました。THE NINESのときもファーストトライでメイクしましたが、オリンピックから1年足らずの今大会でもファーストトライで決めたことがすごい。短期間でスピンのコントロール力が高まり、安定感が格段に増したと思います」
 
現在の女子スロープスタイル&ビッグエアを牽引しているゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)、CABトリプルアンダーフリップ1260ウェドルを決めたローリー・ブルーアン(カナダ)を抑えての頂点には価値がある。

麗楽を含めて5人の日本人ライダーが参戦しており、ほかの4人も1080以上の高難度スピントリックを決めるなど善戦するも、あと一歩のところで表彰台に乗ることはできなかった。
 
その直後に行われた男子ビッグエアでは、大塚健が後半に大逆転劇を演じた。女子同様にひとり5本のジャンプが行われ、4本目にFSクワッドコーク1800ウェドルを着地直前までロンググラブが入った完璧なエアで決め、ラストジャンプとなる5本目に放ったCABトリプルコーク1800インディも完璧にメイク。どちらも着地後に両手で頭を抱えるシーンが印象に残っているが、両トリックともにそれほど会心の一撃だったのだろう。
 
「ジャムセッションで大体5本飛べるとはいえど、同じ技が3本決まらず、そして3本目のクラッシュではメンタルに影響する状況にあったと思います。4本目にFSクワッドコーク1800をメイクしたのは感動的でした。4本目を終えた時点で下位だったことも大きなプレッシャーがかかっていたと思いますけど、CAB1800をあれだけのクオリティで決めたということは、技術力もさることながら、強靭な精神力を感じました」
 
このように藤森はコメントを残してくれた。複数回に渡るケガに泣かされてきたが、強い大塚が帰ってきた。
 
もうひとりの日本人ライダー、長谷川帝勝はFS1800インディとCAB1800ウェドルをクリーンにメイクすることができず、惜しくも6位に終わった。
 
優勝はノーズバターBS1980インディやオリジナルのノーリーFSトリプルロデオ1440インディを決めたマーカス・クリーブランド(ノルウェー)。映像を観てもわかりづらいかもしれないが、マーカスのBS1980はバターだとFISワールドカップのMCを務めているヘンリー・ジャクソンは指摘する。若干抜けが早いように見えるかもしれないが、あれは早抜けではなくバターなのだと教えてくれた。
 
北京五輪ビッグエア金メダリストのシャオミンことスー・イーミン(中国)はBS1980インディなどを決めて3位を獲得した。
 
※ノーマルスタンス時のグラブ名で表記

女子ビッグエア結果
1位 岩渕麗楽(日本)
2位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
3位 ローリー・ブルーアン(カナダ)
4位 深田茉莉(日本)
5位 鬼塚 雅(日本)
6位 村瀬心椛(日本)
7位 村瀬由徠(日本)
8位 テス・コーディー(オーストラリア)

男子ビッグエア結果
1位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
2位 大塚 健(日本)
3位 スー・イーミン(中国)
4位 マーク・マクモリス(カナダ)
5位 ダスティ・ヘンリクセン(アメリカ)
6位 長谷川帝勝(日本)
7位 クリス・コーニング(アメリカ)
8位 スヴェン・ソーグレン(スウェーデン)

photos: X GAMES

RECOMMENDED POSTS