BACKSIDE (バックサイド)

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MariFukada

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W杯ビッグエアでニューヒロイン誕生。初出場で初優勝を飾った15歳 深田茉莉

2022.12.18

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ニューヒロインが誕生した。米コロラド州カッパーマウンテンで行われたFISワールドカップ・ビッグエア第3戦で、15歳の深田茉莉が初出場初優勝を飾ったのだ。
 
昨シーズンのSAJ(全日本スキー連盟)の全日本選手権ビッグエアで、今年9月に行われた「WINTER GAMES NZ」のスロープスタイルでそれぞれ優勝していたものの、まだ注目を集めるには至っていなかった。急成長中ということなのだろう。予選を4位で通過すると、決勝は3本のランを行い回転方向の異なるベスト2ランの合算で争われるおなじみのルールのもと、1本目から大きな放物線を描くスイッチBS900インディを成功。4方向のスピンの中でもっとも難しいとされる回転方向にも関わらず、正確無比なテイクオフが光っていた。81.5ポイントをマーク。
 
さらに、2本目は失敗したものの3本目、世界のトップランカーでもCABスピンで操ることが多いダブルアンダーフリップ900をノーマルスタンスから繰り出し、スイッチスタンスで見事ストンプ。74.25ポイントを叩き出し、CAB1080インディで今大会最高ポイントとなる90.25ポイントを記録してトップにつけていたヘイリー・ラングランド(アメリカ)を逆転し、見事優勝を飾るというシンデレラストーリーを自ら描いたのだ。

3位には、スイス・クールで行われたビッグエア開幕戦には出場せず、カナダ・エドモントンのビッグエア第2戦はDNSだったため今季初戦となる鬼塚雅が入った。FSダブルコーク1080ウェドルとCABダブルアンダーフリップ900ウェドルを決め、実戦から離れていたものの貫禄の滑りを披露してくれた。

予選をトップ通過していた北京五輪ビッグエア銅メダリストの村瀬心椛は、1本目でFS1080トラックドライバーを決めて87.5ポイント。ヘイリーに次ぐ高ポイントを獲得したのだが、2、3本目に繰り出したBSダブルコーク1260ウェドルの着地に嫌われてしまい、万事休す。今シーズン、初戦から3戦連続して表彰台を逃した。
 
今大会もJ SPORTSの生放送で解説を務めさせていただいた筆者は、優勝した茉莉にリモートインタビューすることができた。回線不良のため多くの言葉を交わすことは叶わなかったが、「とにかく楽しもうと思って大会に臨んだ」という言葉が印象に残っている。
 
15歳という年齢からは想像できないほど終始堂々としており、大会中も弾ける笑顔が印象的だった。表彰式直後のインタビューにも通訳をつけることなく、言葉を選びながら英語でしっかりと答え、3本目で大技を決めた直後にカメラを向けられるも、スマホを取り出してメッセージのやり取りをするなど、大物感がものすごく漂っていた。ちなみにリモートインタビューで誰とやり取りしていたのか尋ねると、父だったそうだ。
 
男子はマーカス・クリーブランド(ノルウェー)が優勝。2本目にBS1800インディを決めると、3本目にはビッグエア第2戦でも繰り出していた、彼のシグネチャートリックを見事成功させた。僭越ながら番組内では「クリーブランドフリップ」と命名させていただいているが、大会サイドとしてはノーリーBS1080テールと表記。しかし、回転的にはフロントサイド方向へのスピンになるため2本目のバックサイドスピンとは別カウントされ、なんと3回転スピンにもかかわらず91ポイントを記録したのだ。

2位は最後の最後にマーカスに逆転を喫したクリス・コーニング(アメリカ)、3位はW杯初出場ながらFS1800ウェドル・トゥ・テールという高難度スピンを放った16歳、イアン・マッテオリ(イタリア)が食い込んだ。

日本からは荻原大翔、長谷川帝勝、木俣椋真の3名が決勝に駒を進めていたが、フロント/バックサイドと回転方向は異なるものの3名とも1800をクリーンに決めることができず、表彰台には届かなかった。
 
日本でもまだ知られていなかった15歳の茉莉が一躍世界中から注目を集めることになり、加速度的にスピンの高回転化が著しかった男子ビッグエアシーンにおいて、1080でも勝てるという新しい勝ちパターンが生まれた今大会。
 
五輪を終えた翌シーズンのW杯は、次回のオリンピックに向けての助走期間がもっとも長いため強豪選手が出場しないことが多く、盛り上がりに欠けるシーズンがこれまでは目立っていた。しかし、今シーズンのW杯はまだビッグエア3戦、ハーフパイプ1戦しか終えていないが、大いに盛り上がっている。
 
次回大会はオーストリア・クライシュベルクでのビッグエア第4戦。今大会は体調不良などで出場できなかった大塚健や岩渕麗楽らも含めて、日本人ライダーのさらなる活躍に期待したい。
 
男子結果
1位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
2位 クリス・コーニング(アメリカ)
3位 イアン・マッテオリ(イタリア)
6位 荻原大翔(日本)
9位 長谷川帝勝(日本)
10位 木俣椋真(日本)
16位 濱田海人(日本)
23位 國武大晃(日本)
55位 飛田流輝(日本)
全結果はこちら
 
女子結果
1位 深田茉莉(日本)
2位 ヘイリー・ラングランド(アメリカ)
3位 鬼塚 雅(日本)
4位 浅沼妃莉(日本)
5位 村瀬心椛(日本)
18位 枝松千優(日本)
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