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W杯ハーフパイプ開幕戦で平野海祝&小野光希がともに3位で表彰台獲得
2022.12.17
米コロラド州カッパーマウンテンで行われたFISワールドカップのハーフパイプ開幕戦で、男女ともに日本人ライダーが表彰台を射止めた。男子は平野海祝が、女子は小野光希がともに3位に。もうひとりの女性ファイナリスト、冨田るきは4位に終わった。
その海祝は1本目、FSダブルコーク1080インディ→CABダブルコーク1080ウェドル→FSダブルコーク1260インディ→BSダブルコーク1260ウェドル→FS900ウェドルを決めて88.25ポイントをマークしてトップに立つも、北京五輪銅メダリストのヤン・シェラー(スイス)、同五輪銀メダリストのスコッティ・ジェームス(オーストラリア)がそれぞれ90ポイント超を叩き出し、海祝の前に立ちはだかる。両名ともにFS1440を含むルーティンだったため、さらなる高みを目指して海祝は2、3本目ともにFSダブルコーク1440にファーストヒットでトライするも、惜しくも着地に嫌わてしまい、1本目のポイントで3位を死守した。
北京五輪でハーフパイプでのハイエストエア世界記録を叩き出すなど、その活躍が先行していたため意外に思うかもしれないが、W杯では初の表彰台ということになる。北京五輪の代表選考レース後半から追い上げ、ここ1、2年で急成長を遂げているわけだ。
今大会もJ SPORTSの解説を務めさせていただきライブ配信していたため、大会直後の海祝と話すことができた。今大会を振り返って、小さい頃から山形・横根や北海道のハーフパイプでどんなコンディションでも滑り込んできたからこそ、その対応力が自分の武器となり降雪があった予選でも勝ち上がることができた、とコメントしてくれた。
また、北京五輪でのハイエストエアはもちろん、山梨・カムイみさかの室内ハーフパイプで天井にタップするなどコンテスト以外でも大きな注目を集める海祝に、現地で海外ライダーたちからどのように見られているのかとたずねると、「オリンピックでああいう形でフィーチャーされて、それ以外にもいろいろな動画が出て海外からも注目を集めていますけど、自分はこれまでコンテストでやってきたから、そこでしっかりと結果を残したうえで、ハーフパイプ以外の滑りでも魅せていきたいですね」と、スノーボーダーらしい力強いコメントを発してくれた。
優勝はスコッティ。スイッチマックツイスト・タックニーインディ→CABダブルコーク1440メロン→FS1080テール→スイッチBS900インディ→スイッチBSダブルコーク1260インディというルーティンを1本目から決めて97ポイントだったところ、2本目ではさらに完成度を高めて99ポイントを記録。ファーストヒットでスイッチBS1080を成功させたら100点で収まらないのではと感じてしまったが、北京五輪まではルーティンに取り入れていなかったスイッチマックツイストが加わったことで、テクニカルだけでなくよりクリエイティビティが光るランに映った。
2位となったヤンもスコッティ同様に、ファーストヒットにBS900シャッフルをもってくるなど、表現力により磨きがかかっていた。そこからFSダブルコーク1440インディにつなぎ、CABダブルコーク1080ウェドル→FSダブルコーク1260インディ→FSアーリーウープ900ノーズというルーティンを2本目に決めて、96.25ポイントをマークした。
女子で3位に入った光希は、1本目でBSインディ→FS900テール→BS540ウェドル→FS720インディ→CAB720ウェドルというルーティンを決めて85ポイントで3位につけると、海祝同様に2、3本目で上位2名をまくるため、ラストヒットで繰り出したトリックはCAB900だった。スムースな回転軸でスピンを巧みにコントロールするも、クリーンにメイクすることはできず。しかし、大会直後のインタビューでは「(CAB900を)決めることができず心残りはあるけど、表彰台に上れたことは素直にうれしい」と本音を吐露してくれた。
優勝のケラルト・カステリェト(スペイン)は1本目、スイッチBS540インディ→CAB720メロン→FS540ウェドル→BS900ウェドル→FS720メロンをエアの高さを出しながら決めて89.75ポイントをマーク。そのまま逃げ切った格好だ。
2位には初のW杯表彰台となったエリザベス・ホスキング(カナダ)。1本目のランで、FS540インディ→BS540ウェドル→FS720ステイルフィッシュ→ハーカンフリップ・ウェドル→FSノーズ→FSアーリーウープ540インディと、5ヒットのライダーが多い中で6ヒット決め、88.75ポイントを記録しての結果だった。
男子で決勝へ駒を進めたのは海祝のみだったのだが、戸塚優斗や平野流佳といった表彰台の常連ライダーたちも参戦していた。しかし、予選で涙を呑む結果に。両名ともにW杯の予選で敗退することはこれまでほぼなかっただけに心配ではあるが、次戦のスイス・ラークスでの活躍に期待したい。
男子結果
1位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
2位 ヤン・シェラー(スイス)
3位 平野海祝(日本)
11位 戸塚優斗(日本)
14位 片山來夢(日本)
17位 平野流佳(日本)
19位 重野秀一郎(日本)
20位 金子恵汰(日本)
42位 山田琉聖(日本)
全結果はこちら
女子結果
1位 ケラルト・カステリェト(スペイン)
2位 エリザベス・ホスキング(カナダ)
3位 小野光希(日本)
4位 冨田るき(日本)
全結果はこちら
※グラブはすべてノーマルスタンス時の名称で表記
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