BACKSIDE (バックサイド)

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ロシアによるウクライナ侵攻がスノーボードやスキー製造に与える影響とは

2022.07.23

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2022-23シーズン、一部のスノーボードやスキーの製造に遅れが生じてしまうというニュースが世界中で話題となっている。その理由は、新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックによるサプライチェーンの混乱だけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻が大きな要因だ。
ウクライナ西部は森林地帯となっているため、スノーボードやスキーに使用する木材の入手が容易である。加えて、ヨーロッパの中でも生産コストが低く抑えられ輸出しやすいという点から、スノーボードとスキーの生産拠点となった。イギリス・ロンドンからスノースポーツのニュースを発信している情報サイト「PLANET SKI」によると、ウクライナのスキー、スノーボード、ブーツ工場の多くが、2月24日の戦争開始とともに閉鎖。その後、ロシアの攻撃が停滞すると再び稼働したが、ウクライナ西部の主要工場であるオーストリアのFISCHER SPORTS(フィッシャースポーツ)が運営する50エーカー(約202,300㎡)の施設はロシア軍の侵攻後、1ヶ月半近くに渡って閉鎖されていたというのだ。
ドイツのビジネスニュースサイト「BNE INTELLINEWS」によると、FISCHERの工場はヨーロッパで販売されているスキーやスノーボードの年間50%以上を生産していると言われている。また、ROSSIGNOL(ロシニョール)の工場は紛争中、閉鎖されたままだ。ロシアとの国境から離れたウクライナ西部とはいえ、3月下旬にはミサイル攻撃の標的となり、施設自体には被害がなかったものの、周辺のインフラが一部破壊された。現在は再び西側も攻撃を受ける被害が出るなど、流動的な状態が続いている。
自社工場を有するスノーボードブランドはもちろんあるものの、ほんの一部だ。そうではないブランドはOEM(他社ブランドの製品を製造すること)に頼らざるを得ない。また、自社工場を持っていてもコストが安い外部の工場に委託するケースもあるだろう。ウクライナ西部に位置する工場において、日本で流通されるスノーボードが生産されている数量はわかりかねるが、22-23シーズンモデルのプロダクトの供給状況は不透明である。だからこそ、今シーズンのギア選びは早めの行動をオススメしたい。
 
※画像はイメージです

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