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夏のオレゴンで新技誕生。米ハーフパイプ代表のルーカス・フォスターによる妙技
2022.07.17
米オレゴン州マウントフッドで行われている毎年恒例のサマーキャンプでは、温暖のため身体がよく動くことや、湿雪なのでトップシーズンよりも恐怖心が払拭されるなどの理由から、今も昔も新技が誕生する傾向が強い。90年代中頃には、ストレートジャンプでロデオフリップ、ハーフパイプでチャックフリップなどが毎年のように誕生し、VHSやDVDを観ては一喜一憂していたものだ。
そして2022年夏、アメリカ・ハーフパイプチームのルーカス・フォスターが新技を生み出した。ルーカスと言えばハーフパイプでバックサイド1620を操るなど、唯一無二のライダーとして知られているわけだが、今回決めたトリックもオリジナルティあふれるものだ。
アーリーウープ・マックツイストの回転からさらに背面方向へ1回転加えているのだが、ここではアーリーウープ・ダブルマックツイストではなく、バックサイドアーリーウープ・ダブルコーク900と言わせてもらう。その理由は、2020年にスイスのヤン・シェラーがスイッチスタンスからのアーリーウープ・ダブルマックツイストを決めており、その時は2回目の回転にもマックツイストに必要な縦軸が入っており、回転数も1080だったためである。参考までに動画をリンクしておくので、ご興味のある方はチェックしていただきたい。
ハルドル・ヘルガソンやアンティ・アウティらコンテストから退いて表現者として活躍するトッププロから、レッド・ジェラードやクロエ・キムなど現役のトップコンペティターまで、多くのライダーたちがルーカスに称賛のコメントを送っている。ルーカス本人も、このトリックを長きに渡って夢見てきて、成功した今は非現実的な気分だと真情を吐露している。
ハーフパイプに恵まれない環境で育ってきたルーカスだが、完全にオリジナルの道を確立した。今後の活躍からも目が離せない存在だ。