NEWS
クロエが復活の1080を決めて日米決戦を制す。US OPEN女子ハーフパイプ速報
2017.03.05
アメリカ・コロラド州ベイルマウンテンで行われているBURTON US OPEN女子ハーフパイプ決勝が先ほど幕を下ろし、優勝はクロエ・キム(アメリカ)、2位はエレナ・ハイト(アメリカ)、3位はマディ・マストロ(アメリカ)と、アメリカ勢が表彰台を独占した。
セミファイナルを勝ち上がった日米6名のファイナリストたちがひとり3本のランを行い、ベストポイントで争われる予定だったが、ケリー・クラーク(アメリカ)が公式練習中に頭を強打して欠場。5名が決戦の舞台に立った。
優勝のクロエはウイニングランとなった3本目。ルーティンの難度をさらに高めて挑み、BSメソッド→FS1080→CAB720→FS900→マックツイストを完璧に決めて87.1ポイント。今季は1080を封印するなど不調に喘いでいたのだが、復活を証明するランを魅せてくれた。
惜しくも4位となった冨田せなは1本目から、FS900→BS540→FS720→CAB720→FS540→BSメソッドを安定感、エアの高さともに高水準のランを披露。1番出走だったこと、さらに世界的に無名だったこともあってか、ジャッジを困惑させるほどの素晴らしい滑りだった。このランは76.6ポイントを記録し、2本目は同ルーティンの完成度を高めて77ポイントで3位につけていた。
3本目は3番手の出走。この時点で4位だったエレナが直前に冨田のポイントを抜き去ったのだが、3本目も同ルーティンにこだわった冨田。しかし、全体を通して細かいミスが出てしまい、ラストヒットのBSエアも転倒。逆転することはできなかった。
松本遥奈は1本目にFSクレイル→BSテール→FS900→BS540→FS720→CAB720→FS540と、セミファイナルを4位通過したランと同じルーティンを成功させたのだが、2本目終了時点では最下位。3本目はポイントの低い順の出走となるため先陣を切るも、3ヒット目のFS900の着地でヒールエッジで耐えたことにより失速。続くバックサイドに繋げることができなかった。だが、諦めることなく次のフロントサイドで1080にトライ。メイクすることはできなかったが、日本人の女性ライダーでも1080を持っているということを世界中に知らしめ、世界最高峰の舞台に爪痕を残した。
贔屓目なしで、ファイナルの舞台に立った日本人2名の滑りは、ボトムからトランジションの使い方、テイクオフの上手さといったベーシックスキルは世界トップレベル。あとは、1080などの高回転スピンや3Dスピンを習得することが課題となるだろう。中国の有力ライダー2名とケリーが不在だった本大会ではあるが、彼女たちの自信につながったに違いない。有意義な大会となったはずだ。
女子ハーフパイプ・ファイナル結果
1位 クロエ・キム(アメリカ)
2位 エレナ・ハイト(アメリカ)
3位 マディ・マストロ(アメリカ)
4位 冨田せな(日本)
5位 松本遥奈(日本)
6位 ケリー・クラーク(アメリカ)
photos: BURTON