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X GAMESスーパーパイプはスコッティが優勝。平野と平岡は惜敗も収穫アリ
2017.01.27
アメリカ・コロラド州アスペンで開催されているアクションスポーツの大祭典「X GAMES ASPEN 2017」スーパーパイプ決勝が行われ、スコッティ・ジェームス(オーストラリア)が先週のLAAX OPENでの好調を持続したまま優勝を飾った。2位には前回大会の覇者、マット・ラドリー(アメリカ)、3位にはテイラー・ゴールド(アメリカ)。注目されていた日本人ライダーの2名は、平岡卓が8位、平野歩夢が9位に終わった。
世界各国から選りすぐられた12名が招聘された今大会は、ひとり2本のランからベストポイントが採用される形式で行われた。1番手で登場したスコッティは、BSメソッド→FSダブルコーク1080→CABダブルコーク1080→FS900→BSダブルコーク1260を全体的に高さを出しながら決めてきたのだが、ラストヒットは少し回転が足りておらずクリーンとは言いがたかった。しかし、90ポイントとハイスコアをマーク。バックサイドスピンのレギュラー着地だったこともあり、ナチュラルにランディングを合わせていたためだろう。終わってみれば、このポイントを誰も抜くことはできなかった。
2位のマットは2本目のランで、BS900→FS1260→フレッシュフィッシュ→FS1080→CAB1080→FSダブルコーク1080の完成度を高めて80ポイントを叩き出した。
3位のテイラーは、マックツイスト→FS1260→ダブルチャックフリップ→FSトゥフェイキー→CABダブルコーク1080→FSダブルコーク1080を決めて79ポイントとし、表彰台を射止めた。
公式練習では合わせきれていなかった平岡だったが、決勝直前に行われた公開練習では持ち前の高さを出して彼らしい滑りを披露していた。しかし、その練習中にボードが折れるというアクシデントがあったようだ。スペアのボードに乗り換えるも、微妙なチューニングの変化に対応することができず、FSダブルコーク1080の着地に嫌われてしまった。ヒールエッジ着地でバランスを崩して手をついてしまい、ポイントは68.66と伸びず。「調子は上がってきてたんですけど、合わせることができなかったですね。板が折れたことは言い訳にならないけど、練習を重ねて次につなげたい」と大会直後に語ってくれた。
そして、昨シーズンのX GAMES OSLOでの優勝を引っさげて臨んだ平野は、前日の公式練習中に「パイプに合わせる感じですね」と話してくれていたのだが、正確無比なパイプランを武器とする彼の言葉から推測するに、形状はベストとは言えなかったのかもしれない。だが、新技を成功させるなど、いい形で調整しているように感じていた。そして、それはライディングに示されており、CABダブルコーク1440→FSダブルコーク1080→CABダブルコーク1080→クリップラージャパンまで、2本ともほぼパーフェクトに決め、ラストヒットに投入した秘密兵器はBSダブルコーク1260だった。
しかし、1本目は着地でバランスを崩して手をついてしまい、2本目はリップに乗り上げて尻もちをつくなど、成功することはできず。それでも1本目は54.33、2本目は48.66ポイントと大きなミスを犯したにしてはポイントが高かったことからも、仮に成功させていれば優勝に値するランだったと断言しよう。
戦いを終えた平野とすぐに話すことができた。「最初からBSダブル12を狙っていました。それを決めて優勝することしか考えてなかったから、立つか立たないかに結果をかけた。BS900に抑えても結果的には2位くらいには入れたのかもしれないけど、後悔はまったくないです。今は練習を重ねることしかできないから、そこに時間をかけてまた戻ってこようと思っています」
平岡も含め、すでに彼らの目線は次なる戦いに向けられているだけに、ここからの飛躍に期待したいところだ。
最後になるが昨シーズン、見事な復活を遂げたショーン・ホワイト(アメリカ)は、公式練習からパイプに合わせることができておらず、1、2本目ともにCABダブルコーク1440でミスしてしまい11位に甘んじた。ソチ五輪の金メダリスト、イウーリ・ポドラチコフ(スイス)も2本とも失敗に終わり10位。常勝ライダーたちが結果を出すことができず、大会初日のメインイベントである男子スーパーパイプは幕を下ろしたのだった。
男子スーパーパイプ結果
1位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
2位 マット・ラドリー(アメリカ)
3位 テイラー・ゴールド(アメリカ)
4位 チェイス・ジョージー(アメリカ)
5位 ダニー・デイビス(アメリカ)
6位 ルイ・ビトー(アメリカ)
7位 ベン・ファーガソン(アメリカ)
8位 平岡 卓(日本)
9位 平野歩夢(日本)
10位 イウーリ・ポドラチコフ(スイス)
11位 ショーン・ホワイト(アメリカ)
12位 パット・バーグナー(スイス)