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SAJ強化指定選手以外にもオリンピックへの道が!? 平野歩夢、平岡卓らプロ活動優先組に光明

2016.08.18

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2016年7月、ソチ五輪ハーフパイプ銀メダリストの平野歩夢と同大会銅メダリストの平岡卓の両名が、2016-17シーズンのSAJ(全日本スキー連盟)強化指定選手を辞退したというニュースが世間を騒がせたことは記憶に新しいかもしれない。
平野についてはプロ活動を優先するために、ソチ五輪後の2014-15、2015-16シーズンは自らの意思で強化指定選手から外れていた。それは、オリンピックまでの助走期間が長い時期だったため、具体的な選考には直結しないという思惑だろう。しかし、開催まで2年を切っている平昌五輪日本代表選手を選考するうえで、スノーボード種目を運営するFIS(国際スキー連盟)が主催するワールドカップでの成績が指針となるため、今シーズンからはFIS大会に参戦すると思われていた。ましてや平岡に関しては、ソチ五輪直後の2シーズンについても強化指定選手としてプロ活動の一部を犠牲にしてきただけに、あえて今シーズンの強化指定を辞退するという話を理解することは困難を極めた。
そのような中、明るいニュースが舞い込んできた。今シーズン、強化指定選手以外でもFISワールドカップに参加することが可能になったようだ。その出場条件についてSAJから公式発表があったので、詳細は下記のリンクより種目別に確認いただきたい。

ハーフパイプ

http://www.ski-japan.or.jp/wp-content/uploads/674127216af52b121fb1c643fcb5340e.pdf

スロープスタイル、ビッグエア

http://www.ski-japan.or.jp/wp-content/uploads/88e33154044264c14a43b3266bdf2688.pdf

これによると、昨シーズンにWORLD SNOWBOARD TOUR(以下WST)が運営する、いわゆる賞金レースと呼ばれるX GAMESやBURTON US OPENなど、スノーボーダーによるプロスノーボーダーのための国際大会のエリート(最上位)レベルで成績を残している者は、一定の条件をクリアすることで、強化指定選手ではなくともワールドカップに出場できるという画期的なシステムが導入されたのだ。
WSTがありながらFISがオリンピックへの道のりを統括してきたことで、これまでもあらゆる歪みが生じてきた。プロ活動を優先するスノーボーダーが世界では一般的であり、WST管轄の大会に出場することがプロとしての責務でもある。さらに言えば、よりレベルの高い環境で己を高めることはプロとして当然だろう。だが、WSTとFISの大会日程が重なることも多く、プロ活動とオリンピック出場を目指すことの両立が難しいとされてきただけに、今後のライダー活動にも大きな影響を与える改正となった。
現時点で正式な強化指定選手の発表はなされていないのだが、参考までに、SAJが条件とする2015-16シーズンの大会成績に該当するライダーの戦績は以下のとおり。SAJによる強化指定の有無に関わらず、平野、平岡、角野友基、鬼塚雅は、ワールドカップへ参戦するために必要な成績を有している。

〈ハーフパイプ〉
2015-16シーズン(2015年7月1日~2016年6月30日)の間に、WORLD SNOWBOARD POINT LIST(WSPL)対象のELITEレベルの大会で3位以内に入賞した者。
※ただし、ポイントレベルが900以上の大会を評価対象とする

平野歩夢

WINTER DEW TOUR ブリッケンリッジ大会 2位
LAAX OPEN 1位
X GAMES オスロ大会 1位

平岡 卓

BURTON US OPEN 3位

〈スロープスタイル、ビッグエア〉
2015-16シーズン(2015年7月1日~2016年6月30日)の間に、WORLD SNOWBOARD POINT LIST(WSPL)対象となる国際競技会において、
①ELITEレベルで決勝に進出した者、もしくは、
②INTERNATIONALレベル以上で6位以内に入賞または決勝に複数回以上進出した者。
※ただし、ポイントレベルが①900、②700 以上の大会を評価対象とする(②が曖昧であるため、本記事では①の該当成績のみ掲出)
※SS=スロープスタイル、BA=ビッグエア

角野友基

BURTON US OPEN(SS) 8位
WORLD CHAMPIONSHIPS OF SNOWBOARDING(SS) 7位
AIR + STYLE 北京大会(BA) 4位
X GAMES アスペン大会(BA) 3位
AIR + STYLE ロサンゼルス大会(BA) 1位
X GAMES オスロ大会(BA) 1位

鬼塚 雅

LAAX OPEN 2016(SS) 3位

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