MOVIE
日本の雪だけでなく“音”をスノーボードムービーの核とした個性的作品。THE NORTH FACEが描く『The Sound of Japan』
2026.01.14
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が発信するムービーが面白い。日本の雪山と街を舞台に、そこで聞こえた“音”そのものをサウンドトラックとして編み上げた作品『The Sound of Japan』だ。
映像の核にあるのは、ミュージシャンのジャクソン・フェスターが現地で録音した音。列車のアナウンス、寺の鐘の響き、街のざわめき。いずれもBGMのように後ろへ退くのではなく、滑りのテンポに並走する。音があるから映像が立ち上がるのではなく、映像があるから音の輪郭が際立つ。その連動が、この作品に独特の没入感を与えている。
撮影クルーは日本で高品質なフッテージとサウンドを収録し、編集室でそれらを混ぜ合わせて本作を完成させた。駅のアナウンスや寺の鐘がムービーのリズムを作り、この国の文化的なサウンドスケープを浮かび上がらせる。
出演はオースティン・スミスやマッテオ・マシッティ、そして日本人ライダーとして藤田一茂と佐藤亜耶。これまでJAPOWを題材としてきた海外ムービーは数多あるが、本作はそれらとは一線を画す。山と街を横断し、音の記憶で滑りをエディットする。そのアプローチ自体が、フリースタイルスノーボーディングの創造性とよく似ている。
音は雪と同じで、その場に行かなければ本当の価値までは伝わらない。『The Sound of Japan』は、その距離を少しだけ縮めてくれる。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




