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平昌五輪ハーフパイプ4位から8年。ベン・ファーガソンが到達したバックカントリーフリースタイルの極み
2026.01.09
8年前のこの時期、ベン・ファーガソンは平昌五輪に向けて、ハーフパイプで切磋琢磨していた。コンテストの空気の中で、回転数と高さと完成度を追い込み続ける日々。だがいま彼が立っている場所は、パイプのプラットホームではない。母なる大地が生み出した自然地形だ。
ハーフパイプで培ったスキルは、バックカントリーでこそ別の意味を持つ。スピード、アプローチ、エッジング、テイクオフ、空中での体勢、そして着地のリカバリー。スーパーパイプと称される整えられた人工物ではなく、毎回表情を変える斜面に対して、その精度をアジャストさせていく。ベンの滑りが放つ説得力は、そこで生まれている。
BURTONとRED BULLの共同作品『PAVED』のフッテージにボーナスクリップを加えて構成された『CINDERS』は、ベンの真価を端的に映し出す一本だ。アラスカの急峻なラインを攻めるシーンから、日本が誇るJAPOWに至るまで、バックカントリーフリースタイルが持つ要素が濃度高く詰め込まれている。ライン選びの大胆さと、トリックの精度。その両方が同居しているから、一本の映像として見応えがある。
オリンピックではメダルに届かなかった。だが、プロスノーボーダーとしてのベンは、いま間違いなく最高峰のひとりだ。4年に一度、スノーボードが最大級の注目を集める時期だからこそ、こうした“本質”が広がっていく流れも、同時に生まれてほしい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




