BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

平野歩夢が追求する先にあるもの。己を超え続けた人生の軌跡『BEYOND』公開。ミラノへ向かう現在地

2025.10.28

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BURTON(バートン)とともに歩んだ10年以上の軌跡。そして、その歩みはミラノへと続いていく。平野歩夢のムービー『BEYOND -追求の先-』が公開された。

12歳で「BURTON US OPEN」ジュニアジャム優勝、14歳で「X GAMES」銀メダル獲得。10代前半から世界のトップで戦い続けてきた歩夢とBURTONは、十数年にわたる共創の歴史を積み重ねてきた。映像では、その歩みを本人が静かに、そして力強く振り返りながら、ミラノ・コルティナ五輪へ向けた“これから”を語っている。
15歳で迎えた2014年ソチ五輪では、日本人スノーボーダーとして初のメダルであり、冬季最年少で銀メダリストに輝く。4年後の2018年平昌五輪でも銀。内容では勝りながらも届かなかった頂点への悔しさは、歩夢をさらに研ぎ澄ませていった。

そして、2022年の北京五輪。スケートボードで挑んだ東京五輪からわずか半年で大舞台を目指すという異例の状況で、スケートで培ったスキルをスノーボードに融合し、追われる側から“追う立場”に徹した歩夢は、コンテスト史上初となるFSトリプルコーク1440に成功。その大技を武器に、悲願の金メダルを掴みとった。常識を疑い、身を削り、精神を鍛え上げながらアップデートし続けてきた結果である。
歩夢は映像の中で、未来についてこう語っている。
「今までは想像つく自分とやりとりしてきたところはあると思うんで、何か想像つかない自分の形だったり、その姿みたいなものを新しいことにチャレンジしつつ、スノーボーダーがどこまでいけるのかっていうところを大きく表現できるような、そういう世界観を自分自身も感じられたらなというか、伝えられたらなとも思いますね」
勝つためではなく、自分にしかできない表現の追求へ──。
彼の言葉は競技者としての決意であると同時に、表現者としての覚悟にも聞こえる。
映像の後半では、歴代のボードとともに歩んできた記憶や、道具へのこだわりも語られている。テスト、改善、そして挑戦を繰り返す。BURTONとともに限界を押し広げてきた年月が、次の物語の原動力になる。
ミラノ・コルティナ五輪まで3ヶ月あまり。“想像を超えた先にいる自分” を目指す旅は、まだ続く。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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