昨シーズン、春の北海道に連戦を終えたSALOMON SNOWBOARDS（サロモン スノーボード）の若手コンペティターたちが集結した。大規模なアイテムや特別な舞台はないものの、FIS（国際スキー・スノーボード連盟）ワールドカップを転戦する20歳の村瀬心椛や宮村結斗、17歳の鈴木萌々、そして下剋上を狙う一ノ瀬海渡は、水を得た魚のように自由に、軽やかに滑り出した。
世界のコンペシーンを舞台に戦う彼らが、いつもより小さなキッカーやサイドヒットに当て込み、ときにバターで織り交ぜながら遊ぶ。その姿は競技者ではなく、純粋なスノーボーダーそのものだった。
「大きなアイテムはなかったが、クリエイティブなアイデアで面白い映像が撮れた」とSALOMON。確かに、画面から伝わってくるのは“上手さ”以上に“感性”だ。日常的なサイズのフィールドでこそ、彼らのライディングスキルの本質が浮かび上がる。
大会では見えない表情、自由な発想、仲間と笑い合う瞬間。それらが積み重なってこそ、彼らは世界の頂を目指せるのだと感じさせる。
この映像は、次世代の日本スノーボーディングがどこへ向かうのか──その未来図でもある。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）