近年のストリートスノーボーディングは、ロケーションもトリックも常軌を逸するほど進化している。だが、僕たちが映像で目にするのはあくまでメイクしたシーンだけだ。そこに至るまで、どんな過程があり、どれだけの失敗や葛藤があったのかを知る機会は少ない。
そんな現実を鮮やかに浮き彫りにするのが、昨秋リリースされた『RENAISSANCE MAN』だ。14〜16世紀のルネサンス期に活躍した万能の天才“ルネサンスマン”をモチーフに、たった5分弱の映像にストリートスノーボーディングの新たな世界観を詰め込んだ本作。その背後には、信じられないほどのトライ＆エラーと、仲間たちと挑戦を共有する濃密な時間が存在していた。
公開されたメイキング映像を観れば、それがただの映像作品ではないことがわかるだろう。失敗を恐れず、何度もスポットに立ち、限界を押し広げていく過程。そして、美しさにこだわる姿勢。映像に映らない執念こそが、あの作品を生み出したのだ。
ストリートスノーボーディングの“本質”と“美学”を知るために、この2本の映像はぜひセットで観てほしい。華やかなカットの裏側に潜むリアルな挑戦の物語が、きっとあなたのスノーボード観を揺さぶるはずだ。

text: Daisuke Nogami（Chief Editor）