「JAPOW（ジャパウ）」という言葉が世界中のスノーボーダーに浸透して久しい。だがその言葉が意味するのは、単なる雪質の称賛にとどまらない。本記事で紹介するのは、アメリカの一般スノーボーダーによる2025年に訪れた日本トリップの映像だ。アカウント名から推測するに、彼の活動拠点は米オレゴン州マウントフッド周辺と思われる。
弊ウェブマガジンでは、彼の日本での映像を3年連続で取り上げているが、今作でもスプレーを巻き上げながら繰り出される北海道特有のツリーランを堪能した様子が、印象的に記録されている。彼のコメントに注目したい。「日本はその名高い“パウダーパラダイス”という評判に、毎回しっかりと応えてくれる」と語り、さらには「歓迎してくれる文化、美味しい料理、リラックスできる温泉、美しい自然、豊かな野生動物、そして右ハンドルでのドライブ体験まで、そのすべてが、ただただ素晴らしい」と惜しみなく称賛を送っている。
日本に暮らす僕たちにとって、こうした“雪とともにある日常”は当たり前の風景かもしれない。だが、それが世界中のスノーボーダーにとって、非日常のきらめきに満ちた舞台になっていることを、あらためて実感させられる。
本ムービーには、ドローンを駆使した映像など派手な演出はない。ウエアラブルカメラを片手に、ただ仲間と滑り、食べ、笑い、日々を切り取っているだけ。それだけで十分に伝わるのは、そこに日本の冬とスノーボードの“リアル”があるからだ。
観光誘致やPRという枠組みではなく、本気で滑りに来る外国人スノーボーダーたちが心に刻む日本の冬。その魅力を、素朴な映像のなかにあらためて見つけられる。