BACKSIDE (バックサイド)

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https://backside.jp/movie-2063/
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MOVIE

滑りでカルチャーを語る。黒人スノーボーダーたちが雪山に刻む「多様性」というメッセージ

2025.05.20

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黒人スノーボーダーによるクルー「TECHNICALLY DOING IT(以下、TDI)」が、スイス・ラークスを舞台にスプリングシュレッドを楽しむ映像『ITS OVER, TRUST』を公開した。この映像には、17歳のLJエンリケスをはじめ、エイドロ・ミッチェル、セブ・ディアス、キラン・パーシャド、アイリー・ジェファーソンらTDIのメンバーが登場し、ラークスのローカルライダーでありオシャレな小技を操ることで人気を博するYung Doliことルーカス・ボームや、ベルギーのセッベ・デ・バック、ノルウェーのウルリク・バダーシャーら欧州のライダーたちとセッションを繰り広げている。
TDIは、ゼブ・パウエルやキア・ディロン、スティービー・ベルらが参加する黒人スノーボーダーのクルーであり、スノーボード界における多様性と包摂性を推進する活動を行っている。彼らの活動は、90年代初頭に黒人初のプロスノーボーダーとして活躍したラッセル・ウィンフィールドから始まり、現在のフリースタイルシーンを牽引するゼブ・パウエルに至るまで、数多くのアフリカ系アメリカ人たちが築いてきた歴史の延長線上にある。
本ムービーには、TDIのメンバーたちがラークスの自然と交わりながら、地元のコミュニティや欧州ライダーたちとセッションを重ねる姿が描かれている。そこに映る彼らのライディングは、単なる技術の披露ではなく、自分たちの文化やアイデンティティ、そしてルーツまでもがにじみ出た“表現”であり、“対話”だ。
スノーボードがスポーツの枠を越え、自己表現であり、コミュニティの橋渡しであるということ──TDIの滑りは、その本質をあらためて教えてくれる。彼らの存在は、スノーボードというカルチャーがより多様で、より開かれたものである未来を切り拓こうとしている。

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