MOVIE
BEYOND MEDALSがフリースタイルスノーボーディングの醍醐味をすべて表現した秀作『FORCE MAJEURE』
2024.12.10
ケビン・バックストロムとトア・ランドストロムが主宰するBEYOND MEDALS最新作『FORCE MAJEURE』が、ついにオンライン公開された。先日、東京・原宿でプレミアが行われ、主役のケビンも来日。筆者はひと足先に視聴する機会に恵まれたのだが、腰を据えて改めて観ることで、作品の奥深さやフリースタイルスノーボーディングの奥行きを再発見することができた。
オープニングはBEYOND MEDALSらしく凝った作りとなっているので、こちらも併せてお楽しみに。アラスカのパートから始めるのだが、急峻な斜面を駆け抜けるフッテージの数々は“手に汗握る”という表現では物足りないかもしれない。スラフを追い越すほどのハイスピードでありながら、自在にボードコントロールしているライディングがPOV(一人称)視点で収められているので、その常軌を逸したライディングスキルが理解できるだろう。一生涯滑ることはない(と思う)スティープすぎる斜面ながらも、その臨場感が伝わってくるはずだ。
続くヨーロッパのパートは、フリースタイルが強調された構成となっている。巨大なスプレーを巻き上げるパウターンや新雪を切り裂くバタートリックから、バックカントリーでキックを利用した巨大な空中遊泳、さらには、スイス・ラークスで繰り広げられたパークセッションに至るまで、余すことなくお届けする。
スウェーデンやノルウェーなどを指すスカンジナビアのパートは、ストリートスノーボーディングだ。滑るためのフィールドではない街中を巧みなボードさばきを駆使してラインを描くわけだが、すべてモノクロで表現した。よりライディングに集中することができるうえに、芸術性豊かに編集された本パートを観れば、ストリートスノーボーディングの美しさにようやく気づくことができるかもしれない。
そしてトリは、我らが日本の北海道パートである。世界中の山々や街中を滑り倒したうえで、やはり北海道は彼らにとっても特別なのだ。その中身は観てのお楽しみ。早速再生せよ。