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オリンピックや世界記録だけでは物足りない。ヴァレンティノ・ギュゼリはバックカントリーでも魅せる
2024.08.29
ハーフパイプではトリプルコーク1440や1620が、ビッグエアでは1980以上の高回転スピンが求められる昨今のコンテストシーン。そうしたトリックを極めるため365日練習したとしても勝てるかどうかという時代に、ハーフパイプとスロープスタイル&ビッグエアを両立させるだけでなく、どちらでも表彰台に立てるスキルを持つ男がいる。オーストラリアの19歳、ヴァレンティノ・ギュゼリだ。
そのヴァレンティノが今年4月、スイス・シルトホルンで行われた「SWATCH NINES」において11.53mというハイエアを叩き出し、ヒップでのハイエストエア世界記録を樹立したことは記憶に新しいだろう。そんな彼は現在、地元オーストラリアでスノーシーズンを過ごしており、さらなる進化を遂げているわけだが、北半球で送った23-24シーズンを振り返る12分あまりの映像作品『XVI』が公開されているので、お届けしたい。
パイプやパークといった人工物を滑らせれば世界トップクラスのヴァレンティノは、将来的に「NATURAL SELECTION TOUR」への参加も視野に入れているのだろうか。カナダ・ブリティッシュコロンビア州に位置するバックカントリーの聖地・レベルストークで、すでにバックカントリーフリースタイルの腕に磨きをかけているのだ。
スノーボーダーとして、オリンピックや世界記録を樹立するだけでは物足りないということなのか。ヴァレンティノが人工物で磨きをかけてきたフリースタイルスキルが、バッカントリーという制限なき自由な世界で開花するのが楽しみでならない。