BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

パイプランをよりクリエイティブに魅せるためにアメリカが主導する潮流とは

2024.05.16

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2020年3月1日、38回目の開催を数えて幕を下ろした伝統の一戦「BURTON US OPEN」ハーフパイプは戸塚優斗が優勝を飾ったわけだが、その舞台は通常コンテストで使用されるスーパーパイプが後半に用意され、前半はモディファイド(modified: 部分的に変更する)パイプだった。プラットホームに雪で造られたボックスや後半へのつなぎ部分にヒップが用意されるなど、よりライダーたちのクリエイティビティが求められるコース設定。スケートライクなライディングスタイルと高回転スピンやハイエアに代表されるスノーボードライクな滑りとがミックスされた新鮮さに、現地で観ていた筆者(編集長)も新たなる可能性を感じさせられた。
そして、そのアメリカを代表するハーフパイプライダー、テイラー・ゴールドが新たなプロジェクトを始動。彼のホームリゾートであるコロラド州スティームボートに18フィート(約5.5m)と、22フィート(約6.7m)が国際規格となるスーパーパイプよりも少し小さいマーベリックス(marvericks: 型破りな、異端的な)パイプを造成、チェイス・ブラックウェルやジョーイ・オケソン、ルーカス・フォスターら、アメリカチームを中心としたパイプライダーたちを招聘し、セッションを行った。そこで繰り広げられたライディングをまとめたムービー『HOME BREAK』をご覧いただきたい。
高回転スピンばかりが求められ、勝つためにはひとつのグラブトリックや低回転スピンさえも許されないハイレベルなハーフパイプシーンに物申すかのごとく、原点回帰をテーマとした編集がなされている。このプロジェクトをリードするテイラーは、北京五輪ハーフパイプ5位という結果をひっさげてコンテストシーンから退き、新たなる可能性を模索している段階だ。特にアメリカではスロープスタイルやビッグエアの人気が高く、パイプ離れが懸念されているだけに、こうした潮流に注目していきたい。

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